自信満々に振る舞いたいけど自信だけだと思われたくない。
そんな人に読んで欲しいお話です。
こんにちは、ボイストレーナーの入来院真嗣(@contro_re)です。
普段はプロやプロの卵、歌の専門学校の生徒、その他夢がある人たちと一緒に毎日レッスンをしています。
講師業の前は事務所を通して声優や俳優、音楽活動など何百人何千人の人前に出る経験をしてきました。
『今回のテーマ』
・自信がない人は成長につながりやすい
・能力が高いと”錯覚”すると欠点に気づきづらい
・能力が高くても自信がないと損をする
今回は “自信” についてです。
仕事や趣味、何をするにしても上手くできる人とそうでない人がいます。そして出来ていてもいなくても、自信たっぷりの人とそうでない人がいます。
自信のつけ方ではなく、自信がない人にもこんなメリットがあるんだよ、自信があっても場合によってはデメリットだよ、自信のあるなしと立ち振る舞いは別だよというお話をしていきます。ぜひ最後までお付き合いください。
自信がない人は成長に繋がりやすい
自信がない人は何故自信がないのでしょう。
こんな仕事じゃだめだ、こんな技術じゃダメだ。自分はまだまだだ。色々ありますが、良いか悪いかという判断は『何かと比べる』という作業なしには出来ません。
比べるものはなんでも構いません。
理想の自分、上手な誰か、関係ないはずの他人の評価、何かと比べるから良いとか悪いという判断が生まれます。
比べるからダメな部分が見える
しかし言い換えると、自信のない人は何かとしっかり比べて自分のダメな部分を見つけているということもできます。これは決して悪いことではありません。
何かと比べて出来ていない部分に気づくのなら、あとは出来るように努力するだけです。具体的な成長ポイントが見えているというのは、見えていない人に比べて圧倒的に有利なことなのです。
私なんて出来るわけがない、という具合で否定的になる人は確かにいます。そういう人はまず否定・失敗に意識があっている部分を変える必要があります。自己批判を止めようというお話に関しては以下の記事をチェックしてみてください。
自分の人生の満足度を高めたい。どうして自分の人生はうまくいかないんだろう。どうして自分は何をやってもダメなんだろう。そんな思考に陥りやすい人に読んで欲しいお話しです。自己肯定感を高める意識も大切ですが、まずはその前に、自己批判を減らすこと[…]
成長しているから課題が消えない
もう一つ。頑張っているんだけどずっとダメダメで自信をなくしているという人もいます。
もちろん大切なのは質なので、練習や努力の方向を間違っている場合もあります。
しかし、成長していても「成長していない、ダメダメだ」と言ってしまう人もいます。そういう人は『成長しているから視野が広がっているだけ』という部分に気付いていません。
ボイトレをしていてよく直面するのが、明らかに最初の頃に比べてよくなっているのですがあれも出来ていないこれも出来ていない、自分は全然上手くなっていないと悩む人がいます。実のところは『成長して、視野が広くなっていく度に今まで見えてこなかったものが見えてきただけ』にすぎないのです。
理想と比べすぎて、過去の自分と比べてこなかったので成長しても自信がもてないだけという人は結構います。しかしこういう人たちは、自信がなかった結果成長しているのですが気づくチャンスを逃しているだけにすぎないのです。
自信のない人たちは何かと比べることで自分の出来ていない部分をしっかり把握しています。それは気付いてない人と比べて成長しやすいということができます。
能力が高いと錯覚すると欠点に気付けない
一方で自分の能力が高いと思っている人はどうなのでしょうか。
これはパターンによります。
錯覚だろうとなんだろうと、能力が高いと信じ、しっかり努力・行動することで結果を出せる人もいます。
また、結果が出せない自分が認められず『自分はもっと能力があるんだ』と言う視点から努力をする人もいます。これが自身の能力が高いと思う人が一概に悪いとは言えない理由です。
ダニング=クルーガー効果
しかし、『ダニング=クルーガー効果』という用語があります。
これは
『能力の低い人物が自らの容姿や発言・行動などについて、実際よりも高い評価を行ってしまう優越の錯覚を生み出す認知バイアス』
というものです。
ざっくり言うと、能力の低い人が自分はちゃんと出来ていると錯覚してしまうことをさす言葉で、こういう人は以下の傾向が見られたと言われています。
・自身の能力の不十分さの程度を認識できない
・他者の能力を正確に推定できない
・その能力について実際に訓練を積んだ後であれば、自身の能力の欠如を認識できる。
こうなってしまうと成長の機会は与えられても効率が下がったり、下手をすると成長の機会を与えられているにもかかわらず積極的に成長しようとしなかったりしてしまいます。これはとてももったいないです。
僕自身もボイストレーナーとして色々相談され解決策を提示する側ですが、日々知識の浅さを痛感させられます。
能力が高くても自信がないと損する場合もある
以上簡単にですが『自信がない人は能力が高い』あるいは高くなる可能性があるというお話をしました。
しかし、日々勉強と言いつつも世の中は自信がない人よりも自信がある人を評価する場面が多々あります。それが『錯覚資産』です。
今の世の中は必ずしも実力があるから評価されるわけではない世界で、評価された人から順に成長機会が与えられるというなかなかに理不尽なシステムになっています。
実力さえ高めていけば必ず評価されるという意見より僕はこちらの方がしっくりきます。
オフィシャルのページからざっくりと試し読みできるようになっているので、ぜひ一度チェックしてみてください。
Amazonで1位 (心理学) この記事は、 『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」できまっている』という本 の…
相手の実績などが不透明な場合結局人はそれ以外の情報から判断するしかありません。また、実績等が似たり寄ったりな場合他の情報から判断する必要があります。それが外見であったり、態度であったりするのです。つまり『自信です』
自信がない人は能力が高くても頼りなく見える
どれだけ能力が高くても、それをアピールする機会や実績を知るチャンスがなければ人はそれ以外の情報で判断せざるをえません。
自信に満ち溢れた人は胡散臭い、なんて言いながら、自信のない人と比べると結局胡散臭いながらもそちらを選ぶ人がとても多かったです(生徒アンケート)。
嘘をつく必要はないですが、アピールは必要でしょう。
自信のない人は他人を批判しがち
これは人によるのですが、自信がない人というのは言い換えれば『自己肯定感が低い』タイプといえます。そして、このタイプの中には手っ取り早く誰かを批判する、見下すことで自己肯定感を高める人がいるのです。
そして批判を繰り返すうち、『批判』そのものに敏感になり、自身も批判を恐るあまり行動ができなくなっていきます。
これに当てはまる人はまず批判そのものをしない必要があります。自信のなさから成長の努力をする人は素晴らしいですが、自信のなさから手っ取り早く誰かを批判し始めてしまうと悪循環が生まれるので気をつけましょう。
自信のある人がどう見えていますか?
最後に一つだけ質問です。
あなたは自信のある人がどう見えていますか?
もし嫌い、傲慢、胡散臭いなどという感想があったとするなら、あなた自身が何かにおいて自信を持つことは難しいかもしれません。
自分がマイナスのイメージを持っているものに対して近づいていくことはとても難しいです。
そういう人はどれだけ努力をしてどれだけ自分を高めても立ち振る舞いに自信の色が浮かんだり “オーラ” といった類を纏えないかもしれません。
今回は自信のつけ方ではなく、自信がない人にもこんなメリットがあるんだよ、自信があっても場合によってはデメリットだよ、自信のあるなしと立ち振る舞いは別だよというお話をしました。
自信がないからダメ、と短絡的に考えるのではなく、どんな自分でも良い面悪い面があるのでうまいこと転がしてみてください。
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