自分の声を録音するメリットを紹介します。当たり前ですが、録音するだけでは意味がありません。聴きかえしてこそ初めて意味があるのです。
客観的に知ることができる
前回更新の記事でも少し書きましたが、自分が普段聞く声と録音の声の差に違和感を覚える原因は声が耳に届くまでのプロセスの違いによるものです。→『自分の声を録音するのが苦手な人へ』
しかし録音した声こそ、普段他の人が聞いているあなたの声のイメージに近いものです。自分の声が好きでも嫌いでも、録音した声を聴いて客観的な判断ができるようになることはとても大切です。
客観的に聞くことができるようになると様々なメリットがあります。
一番大きいのは ”聴く力” の強化です。
録音した声には、気持ちよく歌っていた時にはわからなかった様々な改善点が潜んでいます。音程やリズム、発声のときの余計な緊張や言葉の立て方などポイントは多岐にわたるでしょう。
あなたが普段気になる改善点はどこですか?
ボイトレの先生はあなたの悪い癖についてなんと言っていますか?
録音を聴いて、それら改善点への指摘は納得できるものでしょうか?
言われたことや気になる所を意識しながら録音を聴きかえしましょう。意識して聴くことを繰り返すことで、少しずつあなたの耳が肥えていきます。聴く力が強化されれば、先生が言っているポイントや自身が指摘されている部分がより明確にわかるようになるでしょう。
寝かせることができる
録音した声は、当たり前ですがデータを削除するまでそこに残り続けます。
あえて数日寝かせてみましょう。
録音をその場で聴きかえすだけでも、歌っていた時にはわからなかったことがたくさん得られるようになります。しかし数日ほど時間を置くとでより客観的に、より冷静に情報を処理することができるようになるのです。
これにより録音してすぐには気にならかったことも発見できるようになります。自分ではできていたつもりのある種のフィルターがなくなることが理由です。これも録音しなければ得られないメリットと言えるでしょう。
成長を実感できる
録音を聴きかえすと、時間がたてばたつほど粗が目立ち、どんどん聴きたくなくなります。ときには今すぐにでも削除してなかったことにしたくなるでしょう。
しかし、容量に余裕があるなら我慢してあえて残してみてください。
その今すぐ消したいデータはある日、あなたの成長を実感できる宝物に変わります。
ボイストレーニングを続けていると、時に壁にぶつかります。
成長しているのかわからない。
成長して入るけど大したことない気がする。
このままでいいのだろうか。などなど。
一度悩みだすとずっと不安がつきまといます。
そんなとき、過去に録音した音源と今の音源を比べてみるのです。
ちゃんとした先生に教わっていて言われた改善点に積極的に取り組んでいる以上、まったく成長がみられないということはあり得ません。聴く力であれ発声そのものであれ何かしらが確実に成長しています。決して無駄じゃない、無意味じゃないと知ることができるとそれは自信につながります。
焦りたくなることもありますが、確実に成長していきましょう。焦りは余計な緊張を生みます。がむしゃらにやればいいというわけではありません。
さいごに
半年以上レッスンを続けていて、自分でも、そして友達など他の人が聞いてもまったく成長がみられない場合、先生の指示する練習方法、もしくは改善に関してあなた自身の取り組み方に問題があります。一度自身の反省を行うかセカンドオピニオン的な感じでほかの先生のレッスンを受けてみることをお勧めします。