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話し方は “間”や”沈黙”を恐れなければ3割増うまく聞こえる

スピーチ中に「えー」とか「あー」、息を吸う音で間を繋ぐ癖がある人に読んで欲しいお話です。単純にやめなきゃな、ではなく、何故やめたほうがいいのか、またやめることでどのような良いことがあるのかを記事にしました。ぜひ最後までお付き合いください。

こんにちは、ボイストレーナーの入来院真嗣です。

話し方は義務教育では習いません。

言葉遣いや道徳といった部分的なお話はたくさん勉強するのですが、こういう話し方をしたらこういう印象を与えるなどといった部分は何故か放って置かれがちです。

 
生徒ねこ
そーなんだ?


なので今回は言葉の間を単音で繋いでしまうデメリットについて、そして繋がないメリットについて話していきます。早速みていきましょう。

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えー、あーで繋ごうとしない。

そもそも何故言葉と言葉の間を「えーー」と繋げないほうがいいのでしょうか。

 
生徒ねこ
考えてるようで考えられない!


……
よくわかったね。

正解です。

一つ目は脳の処理能力の問題。「えーー」と声を出しながら次に話す言葉を探すというのはとても難しいからです。

二つのことを同時にはできない


人間は一度に二つのことを同時にこなすことはできないとされています。

同時にやっているようで一つずつを素早く交互にやっているだけ。マルチタスクをしようとするとその効率は40%も落ちるという実験結果があるくらいです。

また、音を発すると脳の言語野が刺激されます。

頭の中で考える、脳内で言葉を選ぶときも同時に二つのことを考えることはできません。

〜 同時に読んでみよう 〜

『かえるのうたが聞こえてくるよ』

『咲いた咲いたチューリップの花が』

二つの言葉を同時に読んでみてください。ただし歌わないよう気をつけましょう。
 
生徒ねこ
む、むり…


そう。

2つの言葉を頭で同時に作ることはできないのです。

そのため、考え事が多すぎて眠れない人が頭の中でたくさん考え事をしないために「あーーー」と声を出し続けることを勧めている人もいます。同時に二つのことを考えられないため考え事が浮かばない、あるいは浮かんでもすぐに単音に変換されるため余計な心配が次々に襲ってこず、眠りやすくなるというカラクリです。

以上の理由から、「あー」「えー」と言いながら次の話を探す行為は自分で自分の首を絞めているようなもの。特に、次のテーマではなく言葉を探している場合絶対にやってはいけないものなのです。

隙間の使い方で印象が変わる


二つ目は単純に印象が理由です。

言葉を音で繋ぐと印象がガラッと変わってしまいます。それが狙い通りなら良いのですが、大抵は無自覚です。

ここからは何をどうするとどんな印象を与えるかお話しします。

例文は『私の好きな動物は猫です。理由は可愛いからです』です。一つずつみていきましょう。

 
生徒ねこ


言葉を繋ぐと慌てているような印象を与える


えー私の好きな動物は、えー猫です。

えーその理由としましては、えー可愛いからです。

言葉の前や助詞の後、「えー」から繋げて話すと『聞き手を無視して自分の間だけで話している』『用意した言葉をリズム思い出しながら話している』ような印象を与えてしまいます。

もちろん身振り手振りや言葉の距離感などが適切に使われていれば単に自分のペースで話す人くらいの印象に変わり、内容や立ち振る舞いでリーダーシップを印象付けたりすることはできるでしょう。

しかし、ここを意識できない多くの人は他の表現の部分にも課題が残っています。大抵は台本を読んでいるかのような印象を与えてしまいます。

聞き手を置いていく、話す側と聴く側の距離を広げてしまう行為はなるべく避けましょう。

沈黙は相手の興味をひきつける技術にもなる


では次に、音で繋がず沈黙した場合です。

(沈黙)

私の好きな動物は、(沈黙)……猫です

理由としましては、(沈黙)…‥可愛いからです

 
生徒ねこ
愛が重い…


例文が例文なのでちょっと大袈裟ですが、沈黙は立派な技術です。

しっかりと沈黙を作ることで効果的に話を盛り上げることができます。

沈黙の前の助詞の音の上げ下げを意識してみよう


では例文の沈黙前の音を上げたり下げたりしてみましょう。印象はさらに変わります。

音の変化による印象についてはこちらの記事もぜひチェックしてみてください

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私の好きな動物は↑

助詞をあげてから沈黙すると、続きを引っ張り、話はまだ終わってないぞ、次の言葉が大事だぞと聞き手の関心を集め印象を強くすることができます。

また、印象としては少し明るくなり聞き手との距離を縮めるような効果もあります。

私の好きな動物は↓

助詞を下げてから沈黙すると堂々と、自分の間でしっかり話している印象を強くすることができます。芯の強さ、真面目さ、力強さなどと言った印象を与えたい場合は効果的でしょう。

沈黙と合わさることでより強い印象となります。

長すぎる沈黙は厳禁


ここまで色々お話ししてきましたが最後に、長すぎる沈黙は放送事故です

ラジオ放送では5秒から10秒無音が続くと放送事故だという通説があります。後ろにBGMが流れていたりするとその限りではないのですが、講演やスピーチ中はそうもいきません。話しながら次の話題に向かって動き出すか、素直に一度話が飛んでしまったことを告げつつ台本を確認したりすることが大切です。

ただし、やたらと卑屈になって謝罪を繰り返したり慌てることは避けましょう。

話している間はあなたが主役です。

一挙手一投足は全て見られています。

自分が与えたい印象として慌ただしさや卑屈さが合わないなら、ただただ堂々と丁寧に対応しましょう。

最後に

今回お話ししたのは部分的なテクニックです。

実際は全体のバランスがものを言います。特に話し方の場合伝えたい気持ち、熱量がまず何より大事で、それを身体動作や言葉の立て方や言葉選びがサポートしていくといったイメージでしょうか。

慌てず何度も練習しましょう。

スマホで動画を撮ってみるのが一番おすすめです。

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