言葉に抑揚がないと言われる。もっと表情豊かに話したい。そのためにはどういった部分を意識すれば良いかをお話しします。話し方における表現は大きく3つに分けられます。これらを知って、上手い人を真似したり自分なりに扱えるようになると表現の幅は一気に増えることでしょう。ぜひ最後までお付き合いください。
こんにちは、ボイストレーナーの入来院真嗣です。
今回は話し方における言葉の立て方や意識の仕方です。
全国配信される大手企業のCMナレーションや、テレビ番組中に差し込まれるナレーション、イベント会場での場内アナウンスなど様々なお仕事を経験してきた実績を元にお話しします。
上手に話せるようになりたい、もっと表情豊かに喋りたい。でも具体的には何を意識したらいいのかわからない。そんな人たちのために今回はわかりやすい3つのポイントの解説です。
これとは別に、話し方が幼いと言われてしまう人に向けた記事も更新しましたので、気になる方はぜひチェックしてみてください
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知れば得する “話し方” 基本の3要素
話し方関連の書籍を読めば読むほど、世の中には沢山のテクニックがあるんだなと感じますがまず迷ったらこの3つを意識しましょう。それは『大小、高低、早い遅い』です。
1・音の大きい or 小さい
2・音の高い or 低い
3・読むペースの速い or 遅い
もちろんその他身ぶり手振りといった身体操作や人と向き合ったときの心構え(メンタル)も大切ですが、この3つを知識として知っているだけでも人の話し方を見る目が変わること間違いなしです。一つ一つ見ていきます。
音の大きい or 小さい
ここで説明する大きい小さいとは全体的なその人の声の大きさを指しているだけではありません。強調したい言葉や、逆に強調したくない言葉を意識的に、他の部分に比べて大きくしたり小さくしたりする変化も指します。
「お値段なんと、(大きな声で)たったの1980円!」
「でさ~、(小さな声で)この話絶対内緒ね? 実は、」
言われてみるととても当たり前のことですね。
しかしその当たり前も意識的にやろうとすると難しかったり、どこか不自然になったりしてしまいがちなのです。話し方が上手な人はこれを意識的に上手に、あるいは自然に使い分けています。
音の高い or 低い
例文は先程の “音の大小” と同じで構わないでしょう。
「お値段なんと、(高めの声で)たったの1980円!」
「でさ~、(低い声で)この話絶対内緒ね? 実は、」
強調する単語や文脈を少し高めの声で話したり、逆に低めの声で話したり。
また、声の高い人や低い人で印象が変わるのと同じように、部分的に変化させることで何がどう変わるかを感じてみてください。録音して客観的に聴けるようだとより良いですね。
話すペースの速い or 遅い
一番伝えたい部分をそれ以外に比べて早口で話してしまうというのは基本的にはありません。(自分が話したい内容の核心に迫るにつれ興奮してきて結果的に早くなってしまう、あるいは本当は隠したい事実から意図的に相手の意識を逸らしたいと言ったような表現をしたい場合を除く)
強調したい部分をわざとゆっくり読んでみましょう。
「お値段なんと、(ゆっくりと)たったの1980円!」
話すペースに緩急をつけることでも言葉に変化が生まれます。
話し方の上手い人はどのようなタイミングでどのような変化をつけているでしょうか。言葉の緩急にも注目してみてましょう。
たくさん読んで遊んでみよう
以上3つ、言われてみるととても当たり前のことなのですが、自分の話し方の改善・向上を目指す際にどれだけ意識的に技術として使っていたでしょうか?
漠然とうまい人を真似しろと言われても何を真似したらいいのかわからなかった人もいると思います。そんな方ほど、まずは入り口としてこれらを知った上で挑戦してみてください。視点が増えればそれだけ気づきも多くなっていきます。
もちろん最初のうちは、意識的に頑張ろうとするとどこか不自然になってしまったりするかもしれません。しかし自分の技術にしたければこれらを実際に使ってみることが大切です。お箸を正しい握り方で繰り返したように、新しい漢字を何度も書取りして覚えたように、反復からの習慣化が技術の向上には不可欠です。
名前や年齢、出身や血液型、趣味や好きなものについて話してみましょう。そのなかで大切な情報を大きく強調したり、声の高さを変えたり、ゆっくり強調したりと上記の3つを意識していっぱい遊んでみてください。
やりすぎくらいがちょうどいい
やりすぎは誰だって嫌だよね。
悪目立ちはしたくないし、そのせいで誰かから何か言われるのもほとんどの人が嫌だと思います。
しかし、この”やりすぎ”という状態も時と場合によって変わってきます。カジュアルな場では親しみやすかった大袈裟な表現がフォーマルな場ではやりすぎだったり、フォーマルな場ではちょうどよかった抑揚がカジュアルな場では物足りないほど小さかったり。
まずは練習で積極的にやりすぎてください。
やりすぎたものをどんどん小さくしていくのは簡単です。
一方、もう少し、もう少しと小さいものを大きくしていくのはなかなか難しいです。”これ以上はやりすぎなのではないか”、”自分ではこれくらいで十分できているつもり”、など様々な制約が結果として自分の表現を妨げます。
合言葉は『やりすぎ』。もちろん練習の話です。
本番でちょうどいいステキな話し方をするために、自分の枠を広げる “やりすぎ” を頑張ってみてください。
最後に
話し方はあくまで技術です。
そして技術は実技を通して身に付いていく、つまり実際にやってみないと身に付くことはありません。失敗を恐れず、色々試してみてください。フリースピーチが難しいという方はなにか決まった文章を読むだけでも構いません。
今の時代、ネットを開けばニュースサイトで絶えず新しい情報と文章が更新されています。本番での失敗を恐れるのなら失敗できる場所で沢山練習して沢山経験を積みましょう。
ネットニュースの本文をそのまま読んだり、自分なりに感想をのべてみたりしてみてください。慣れればなれるほど技術が自分のものになっていくことでしょう。
また、今回の記事で得た知識を踏まえテレビや動画サイトを開き話し方が上手いと思う人の真似をしてみるというのもとても効率的な練習方法です。真似をすればするほど言い方、引き出しが増えていきます。ぜひ挑戦してみてください。
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