滑舌練習をしたいけどどんなことをやれば良いかわからない。あいうえおの口の形は意識できるようになったけどそれをどう歌や話し方につなげたら良いかわからないという方に読んで欲しいお話です。無闇に量で練習せず、一つ一つ目的を意識しながら繰り返せば必ず技術は身につきます。
こんにちは、ボイストレーナーの入来院真嗣です。
先日アイウエオそれぞれの口の形を意識しようという記事を更新しました。
そもそもアイウエオの正しい口の形を知らない、なんとなく意識しているけれど正しく使えているのかわからない。そんな人に読んでほしい記事です。日本語は基本的に母音で終わる音が殆どなので、余計な緊張なく表情筋と舌の連動がスムーズにいけば、滑舌改善の[…]
今回は、それをもとにどういう練習をしたら良いかの紹介です。まずは口の形をしっかり覚えましょう。
確認が済んだら余計な力を入れない姿勢を意識しつつ、挑戦してみましょう。
姿勢の確認
初めは椅子に座っていて構いません。
足の裏がしっかり地面についているのを確認します。
そのまま骨盤から耳の辺りまで、背骨を軸に上半身を安定させましょう。しっかり胸郭が広がったまま縮んだりせず、余計な力を抜いて骨に体重を預けても体が前後に崩れない位置が理想です。
骨盤から耳の辺りまで真っ直ぐ伸びた背骨(腰椎・脊椎・頸椎)の上の頭蓋骨が乗っているのを想像して、顔が前に出ないよう気をつけます。
あいうえおをずらして回そう
あいうえお、基本の口の形をしたらそれ以外の順番の動きにも慣れる練習です。
あいうえお、次にイから初めてイウエオア、といった具合に一つずつずらしていって発声していきます。
あいうえお
いうえおあ
うえおあい
えおあいう
おあいうえ
舌の力を抜き、しっかりと表情筋を使いながら練習しましょう。
舌先が途中で下唇や下の歯から離れて奥に引っ込んでいかないよう注意しつつ、舌の前側だけではなく奥まで全部リラックスさせます。
口の形だけを変えつつ、音をつなげて一息で「あいうえおいうえおあうえおあいえおあいうおあいうえ」と練習しましょう。
がむしゃらに言うよりも口の形を意識しつつしっかりリラックスするのが大切です。
慣れてきたらそのままカ行〜ワ行まで全ての行でやってみましょう。
音階でもやってみよう
楽譜やピアノ音源はCから始めていますが、出しやすい音の高さでどこから初めても構いません。そこから半音ずつ、もしくは一音ずつ、音を上げていきましょう。(ピアノ音源は一音上がっています。
1・あーいーうーえーお
2・あいうえおあいうえお
一音一文字で発声したり、一音ずつアイウエオと発声したりして練習しましょう。
力で頑張るのではなく、リラックスしてしっかり表情筋を意識します。
音を移動している途中で喉に力が入ったり舌に力が入ってしまう場合は別の練習が必要です。力を抜いて放っておけるならそれが一番ですが、うまくいかない人はこちらを試してみましょう
ボイトレをしていて、下顎や舌が力んでいるのは感じられるんだけど力の抜き方がわからない。力を抜いて発声練習をするにはどんな方法があるだろう。そんな人に向けてのお話しです。これを実践できるようになれば遠回りのようで確実に舌の脱力、顎の脱力が身に[…]
最後に
今回は練習方法の紹介でした。
5回し1セットの『あいうおえお〜おあいうえ』は、慣れてきたら呼吸や身体のバランスの安定を目指して一息で目標5回を目指してみてください。なんとか持たそうと姿勢が崩れないよう意識することが大切です。
焦らず一つ一つ、積み重ねていきましょう。