歌が上手くなりたい。
最近行き詰まっている。
そんな人に読んで欲しいお話です。
こんにちは、ボイストレーナーの入来院真嗣(@contro_re)です。
普段はプロや歌の専門学生、その他夢に向かって頑張る人たちと一緒に毎日レッスンしています。講師業を始める前は自身も事務所を通して全国CMナレーションやテレビ出演などを経験してきました。
『今回のテーマ』
・猫のポーズで背中側の筋肉を意識しよう
・猫の背伸びのポーズで柔軟性を強化しよう
・猫のポーズを発声に活かそう
今回はヨガで有名な『猫のポーズ』を使った練習方法をご紹介します。
正しい筋肉が効率よく自由に働いてくれれば発声の安定度は格段に増します。
あなたは上と下から手を回し、背中で手を組むことができますか? 上下を逆にしても問題なく組めますか?
手が届かないという人は背中側、肩甲骨周りの筋肉がすごく硬くなっています。ぜひこの猫のポーズを利用して発声効率を高めてください。
ボイトレに役立つ『猫のポーズ』とは
猫のポーズとはヨガで有名なポーズの一つです。画像のような動きをします。
気軽に誰でも簡単に真似できることで有名なのですが、ボイトレの観点からいくと背中側の筋肉の柔軟性を高めたり、背中側の筋肉の連動を意識することで歌が全身運動なんだなということを再確認できるためオススメです。
先ほど述べたように、デスクワークなどが多く猫背で画面ばかり見ているとどうしても背中側の筋肉が凝り固まってしまいます。これが慢性的になってしまうと身体がかばい始め、他の筋肉にまで悪い影響が出てしまい、結果として発生のバランスを崩してしまうのです。
まずはやり方を確認して背中側を確実にほぐすイメージを持ちましょう。
猫のポーズのやり方
基本はこの見出しの画像を参照してください。
①両手と両膝をついて四つん這いの姿勢になります。どちらも肩幅くらいに開き、腕は肘が曲がらないようリラックスして真っ直ぐにします
②ゆっくり息を吐きながら背中を丸め、おへそをみます。肩や膝が動かないように注意しましょう
③ゆっくりと息を吸いながら視線を天井に移動し、逆に背中を反らします
回数こなそうとせず、確実に身体を意識してゆっくりと動かしましょう。無理な緊張は身体を痛めます。
猫の背伸びのポーズのやり方
もう一つ、猫の “背伸びの” ポーズの紹介です。
こちらは参考になるイラストがなかったので画像で説明します。
①四つん這いになり、手ではなく肘をつきます
②ゆっくりと両手を前に伸ばしていきつつ、お尻を天井に持ち上げるイメージで息を吐きながら胸や顔を床に近づけていきます
③静かに深く呼吸をしながら背中を伸ばしリラックスしましょう
こちらも同じく、無理をせずゆっくりと動いてください。
普段取らない姿勢を力づくで長時間撮ると筋を痛めてしまう場合があります。
無理はせず気持ちの良いところでキープしましょう。
早く効果を出したいからと頑張りすぎると、自分本来の可動域以上のことを求めることになり筋を痛めてしまいます。
そして筋を痛めると身体を守ろうとしてさらに硬くなる可能性もあります。自分が気持ちいいと感じる状態でリラックスしながら呼吸を繰り返しましょう。
猫のポーズとボイトレ:呼吸練習
それでは呼吸練習を意識しながら動いていきます。
本来は上下に反ったり縮めたりするだけですが、背中を持ち上げる時に少しだけルールを追加します。
背中を持ち上げる時、
・腰の辺りを持ち上げているつもり
・みぞおちの辺りを持ち上げているつもり
・肩甲骨の辺りを持ち上げているつもり
と背中の何箇所かを動かしてみましょう。
また、動かすと同時に息を「ssss(スーー)」と息を吐きます。
体幹の筋肉や肩甲骨周りの筋肉の柔軟性は発声にもとても大切です。そして背中側の筋肉を意識しながら呼吸をすることで、呼吸時の全身の連動が増えていきます。
1日数回で構いません。
背中側の柔軟性を増やしつつ、リラックスした呼吸を覚えましょう。
猫の背伸ばしポーズとボイトレ:発声練習
猫の背伸ばしポーズでは実際に声を出していきます。
とは言っても近所迷惑にならない程度の小さな声です。
・猫の背伸ばしポーズを取ったら裏声でハミングをしてください。
・音は出しやすい音程で、音量も小さくて大丈夫です。
・身体がリラックスした状態で頭のてっぺんが響くイメージで「んーー」とハミングをします。
猫の背伸ばしポーズは無理やりやると本当に腰を痛めます。
背中だけでなく体幹、腰回りの柔軟にも効くと言われている運動をして逆に腰を痛めるなんて馬鹿らしいですね。絶対に無理をせず、じんわり気持ちよく伸ばしてください。
背中側の筋肉が縮まることなく伸びた状態で、声帯に負荷をかけない楽な発声をすることで全身の連動と脱力、そして発声と効率よくつなげていくことができます。
楽に声が出せる人はハミングのまま、少しだけ音階練習をしてみてもいいと思います。
猫のポーズで背中がを意識したら普通に発声練習
今回は背中側の筋肉の意識として『猫のポーズ』『猫の背伸びのポーズ』について紹介しました。背中側の意識が増えたら普通に発声練習するときも背中側の筋肉が必要以上に緊張しないよう気をつけましょう。
肩が前に入らないよう注意して腕で輪っかを作り(何かを抱くようなポーズ)、胸も背中も広がるように息を吸います。その広い胸まわりが背中を含め縮むことなく、安定した状態で声を出せるよう練習してみてください。
ボイトレは身体の筋肉の使い方を変えて効率よく声を出す練習です。
同じ使い方で必死に結果だけ求めないよう、少しずつ身体の使い方を変えていってください。