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カラオケでエコーを使った方が効果があるときとないとき

カラオケで練習する時エコーは必要なのか
かけた方がいいときとそうでないときがあるのか


そんな疑問にお答えします。


こんにちは、ボイストレーナーの入来院真嗣(@contro_re)です。

普段はプロや歌の専門学校の学生などと一緒にレッスンをしています。
講師業を始める前は事務所を通して声優や俳優、そして音楽活動など幅広く経験してきました。

『今回のテーマ』

・エコーをかけない方がいい理由
・エコーをかけた方がいい理由
・何も気にしない時間も大切


今回はカラオケのエコーについてお話しします。

僕も養成所時代は何度もカラオケに足を運んでいました。防音の部屋を安くで借りることができ、曲を流しながら練習できる環境は最高ですね。

そんな時によくある質問がエコーをかけた方がいいのか切った方がいいのか。これは練習の目的によります。

かけた方がいい場合とそうでない場合、せひ最後までお付き合いください。

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カラオケの “エコー” とは

 

まずすごく簡単に、エコーとは何かという説明です。

エコーとは『反響』を意味します。

音が山彦のように跳ね返ってくる状態を作ったもので、細かい機械だとどれくらい反響するか強さや長さが選べたりします。

 

 
生徒ねこ
カラオケも選べるの?

 

カラオケの場合数値を動かしてざっくりと選ぶ感じです。具体的なオススメ設定は曲のテンポや部屋の大きさでも変わるのでここでは割愛します。

それでは、エコーをかけない方がいい理由とかけた方がいい理由です。

 

カラオケでエコーをかけない方がいい理由

 

 ごまかせる

 聴く力を育てる

 

エコーをかけない方がいい理由は簡単にいうと2つで、『音程やリズムの実力を誤魔化すことができる』、『聴く力を高める練習になる』が挙げられます。

 

音程やリズム等をごまかせてしまう

 

反響が強いと原音、つまり歌い出した自分の声そのものが把握しづらくなってしまいます。

お風呂で歌っているときなどがとてもいい例で、なんとなく自分の歌が上手く聞こえないでしょうか?



反響が強いと自分自身の発声に関係なく音が響きます。


反響が強いと音が残り続けたときリズムのズレがわかりづらくなります。


反響が強いと自分の声がぼやけるので音程のズレがわかりづらくなります




悪い面をぼんやりと隠してしまうため結果として自分の実力、弱点がわからなくなってしまうのがエコーをかける問題点です。

 

「下手に聞こえるじゃん!」

 

以前生徒とカラオケのエコーについて話したとき、下手に聞こえるから嫌だと言われたことがあります。

 

 
生徒ねこ
逆じゃない?

 

大正解!

エコーを切ると下手に聞こえるわけではなく、エコーをかけるから上手く聞こえる。つまり『エコーを使っていない状態の音があなたの実力』なのです。


これは似ているようで大きな違いです。

下手に聞こえるというのならあなた自身が現状 “下手” なんです。そこから目を背けてはいけません。

何もごまかしていない今の時点での自分の声を冷静に分析しましょう。

音程はズレていないか、リズムは問題ないか、自分の表現したい音は出せているか。チェックポイントはいくらでもあります。弱点を一つずつ洗い出し、一つずつ潰していくのが上達の秘訣です。
 

聴く力を育てよう

 

余計な反響がなければスピーカーからはただ拡大されただけのあなたの声が流れてきます。

その音を聴く習慣をつけてください。

一部の人は歌っている最中に喉の感覚をずっと気にしてそれを追いかけ続けますが、結果的に余計な緊張を手放せず喉を痛める場合が多い印象です。

 

言葉を大切にする人

表現を大切にする人

真面目に発声を覚えようとする人

 

このようなタイプの人は少しだけ気をつけてみてください。どれも悪いことではないですが、頑張りすぎて自分で無駄に力を使っていることがあります。

自分がどんなつもりでどんな表現を歌に加えようとも、聴く側はあなたの姿と、スピーカーから出てくるあなたの声からしか表現を受け止めることができません。

 

 
生徒ねこ
……。

 

だとするとあなたが今気にすべきは喉の感触ではありません。気にするべきは自分の出したい音、伝えたい表現がちゃんとスピーカーから出ているかどうかです。

自分の喉でなんか表現っぽいことしてるわー、エコーも雰囲気にあってるわー、ではなく冷静に自分の表現が音に現れているかを聴く練習をしましょう。聴く力は音楽活動において様々な場面で役に立ちます。

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カラオケでエコーをかけた方がいい理由

 

次にカラオケでエコーをかけた方がいい場面のお話です。

 好みの把握

 本番に慣れる


大きく2つ、エコーがいい効果を見せる理由です。

 

自分の好みを把握する

 

聴く力は自分の声だけに限った話ではありません。

自分の歌声にどれくらいエコーがかかるとどんな雰囲気になるのか、それを把握するのもとても大切です。


たっぷりのバラードと言葉の多いアップテンポの曲を同じ設定のエコーでやってしまうと、どちらかに違和感が出てくることを感じられると思います。


自分でしっかり調整して、適切なエコーを選べるようになるのは『良い歌』を届けるために聴く力を利用するとても大切な行為です。これは何度もエコーをいじって、これくらいならこの曲に合うといった具合に耳を鍛えていかなくてはいけません。


この場合エコーをかけることはとても意味があります。積極的に練習しましょう。

 

ライブの場合自分で発注できるようになる

 

自分の中にしっかり好みがあると、リハーサルの段階で自分の作りたい音をしっかりと音響さんに伝えることができます。


せっかくオリジナルの曲を人前で歌えるチャンスがあっても、エコー、ディレイ、リバーブといった空間系のエフェクトを全任せにしすぎると自分の届けたい雰囲気じゃなくなってしまうかもしれません。また、自分がモニターする音も完全に乾いた音の方がいいのか少し気分良くするためにエフェクトをかけて欲しいのか人それぞれです。


普段からエコーをかけることでどういう風に聞こえるか、本番でどういう雰囲気になるのか経験しておくことは必ずあなたの役に立ちます。

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エコーも何も気にせずにカラオケを楽しむ時間も大切

 

以上2つ、カラオケでかけない方がいい理由とエコーをかけた方がいい理由についてお話ししました。

最後にもう一つ、『何も考えない時間も大事』というお話です。

普段から発声だ、共鳴だ、表現だ、パッケージとしての雰囲気だと気にしていては息が詰まってしまいます。大好きだった『歌』や『音楽』が下手をすると嫌いになってしまうかもしれません。

頑張りすぎたり事務所の人にいろいろ言われた結果『自分は伝えるとかじゃなく、ただ好き勝手に歌うのが好きなだけだった』といって趣味に切り替えていく人もいます。

 

プロの呟き

 

中でも忘れられないのはとあるプロと一緒にカラオケに行ったときです。

何本もライブをしながら、仕事を控えているにもかかわらず酒を飲みながらしっかりカラオケを歌いまくる彼をみてボイストレーナー的には少し心配でした。しかし、

「求められてるものとか技術とか表現とか気にせず好き勝手歌うの超気持ちぃー!」
 
彼にとってはカラオケこそ最高のストレス発散になっていたようです。

歌の仕事でたまったストレスを歌うことで発散する。まさに歌手だなと感じました。
 
 
最後に
 
カラオケについてるエコー機能。

結局は使うもよし、使わぬもよしです。
 
基礎力をつけたいならエコーをoff
本番慣れを気にするならエコーをon
 
大切なのはどういう目的でカラオケを使っているか。練習意図がはっきりしていれば、練習の効率は何倍にもなります。

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