スピーチが上手くなりたい。
営業職。
そんな人に読んで欲しいお話です。
こんにちは、ボイストレーナーの入来院真嗣(@contro_re)です。
話し方実績としては事務所を通して全国CMナレーションやイベント司会、アーティストの宣伝ナレーションなどを経験してきました。現在は歌をメインに、話し方の講師も行っています。
『今回のテーマ』
・プロだからこそ台本が大切
・プロから見ればプロでも穴がある
・台本やスピーチ本番の向き合い方
今回はテレビ朝日『お願い!ランキング』で放送されていた “実演販売アカデミー” を観て感じた、営業の難しさや台本の大切さについてお話しします。
人前でパフォーマンスをしながら商品の素晴らしさを伝え是非とも買ってもらうお仕事、実演販売。本当に大変そうです。セールストークを準備し実際に違和感なく実演しなければいけません。
その他お仕事でも大掛かりになればなるほど、大変であればあるほど “台本” が重要になってくるのですが、皆さんはどれくらい台本の用意と推敲、練習を行っているでしょうか? いくつかのポイントをお話しするので、是非最後までお付き合いください。
プロだからこそ台本が大切
2020年9月9日深夜放送の『お願い!ランキング』は実演販売アカデミーという企画でした。
活動歴17年、1日の最高売り上げ実績2億円超えの実演販売士・レジェンド松下さんが、販売歴6〜7年目のプロ3人の実演販売を見てアドバイスをするというもの。
3人がそれぞれ一つの商品を実演販売し、それに対して良いところや改善点を指摘するという内容でした。
綿密な準備=台本の大切さ
それぞれ制限時間がある中で、用意した商品をいかに魅力的に売るかが実演販売の腕の見せどころです。
商品の魅力をアピール
消費者の疑問を汲み取る
消費者の悩みに理解を示す
この3つは僕自身の勝手な解釈ですが、実際にその辺の出来不出来に関してアドバイスがされていたので大きく外れてはいないでしょう。
では質問です。
これら全てを網羅しながら限れた時間で良い感じに話さなければいけないとして、あなたは急にできますか?
素直でよろしい。
どんなに慣れた人でも商品を理解する時間は必要ですし、話しながら理解を深めようとしても制限時間があると難しいです。
そこで大事なのが『台本』です。
なんとなく話していては手が届かずとりこぼしてしまう部分が出てきます。慣れない人であればあるほど自分が話したいことを話して相手のことを考える余裕はなくなってしまうでしょう。
ポイントを抑え、いつでも一定のクオリティを保証し、仮に失敗したとしても反省し改善するためには台本が絶対に必要です。もし頭の中で考えて全て完結しようとしている人は一度紙でもパソコンでも大丈夫です、書き出してみましょう。
プロから見ればプロでも穴だらけ
番組で実演販売をした3組もしっかり台本を用意していました。6〜7年実演販売を行ってきたプロ達がテレビ用にしっかり台本を作り、これならきっとお客様が買ってくれるだろうと自分なりに表現をしていきます。
しかし、そんなプロでも、プロの中でさらに経験も実績も多い人からみたら改善点が多々あるのです。
ある人は導入部から最後まで話すペースが一緒で聞いている人がついていけない可能性を指摘され、またある人は商品特徴は説明できているもののその商品を使った時と使わない時とでどの様な良さが現れるのかの説明がもう少し欲しかったなどの指摘を受けました。
このことからわかることはなんでしょう?
それは、『プロでもさらに台本のクオリティをあげることができる』ということ。言い換えれば『プロでも100点満点の台本なんて作れない』ということです。
技術は一生勉強
技術は一生勉強です。
あなたが営業なりスピーチなりの台本を用意するとして、いきなり完璧を目指さず、まずは一度完成させてください。
例えば仕事、バイト、部活、趣味の何か、なんでも良いです。後輩や新入りの技術や取組姿勢でもっとこうしたら良いのにとかそれはやらない方がいいとか感想を持ったことはありませんか?
台本も同じです。
スピーチが苦手な人ほど一度台本を作るとひたすらそれを読み込み練習だけする傾向にあります。読んでいて違和感が生まれない限り台本を改善しようという人はなかなかいません。これはマイナスを修正する作業なのでプラスαにはなっていません。
かといって練習しないのもよくありません。
台本を用意する人は一度完成させ、練習しつつ、台本の推敲にも挑戦してみてください。
プロからプロへのアドバイス
ちなみに鍋の紹介をしていた方は商品の性能部分の特徴についてはすごくアピールできていましたが、そこに『なぜすごいのか』という理由があれば説得力が増すことを指摘されました。
主張と理由はワンセットです。
理由がなければそれはただのあなたの感想になってしまいます。”実演” が加わることで一定の説得力が生まれていましたが、その実演の素晴らしさでインパクトを出しているうちに明確な理由、専門性が加わると更に説得力が増すというのはプロならではの視点で素晴らしいなと感じました。
プロでもより上のプロから見たら改善点はあるものです。
台本は構成が甘いものほど個人の演出やテクニックで補う必要があります。話し方が苦手な人ほど台本を何度も推敲しましょう。上記3つのポイントと主張・理由がワンセットという意識をもてば一段階クオリティの上がった台本が出来上がるでしょう。
今日からできる台本推敲とスピーチ本番の向き合い方
それでは実際に台本を用意し、練習するときに気にするいくつかのポイントを紹介します。先ほどのポイントを意識した上で以下の点に取り組んでみてください。
①何度も練習する
これは当たり前ですね。ただし、パフォーマーとして練習している時と、台本推敲などのために話を聞いている側目線の時といくつか視点を持ってください。
繰り返しですがいきなり100点満点の台本は作れません。
話す側として満足しても、聞いている側として気になる部分はないかなと意識しながら読んでみてください。繰り返していくうちに新しい発見が増え、様々なものが見える様になってきます。自分でわからないうちは第三者にみてもらうのもありです。
②話すペースに気をつける
特別なテクニックを意識しなくても、しっかり聞いて欲しいところとそれ以外、もしくは導入でついてきてもらえる様に丁寧にゆっくりその後盛り上がりとともに早口に、など緩急をつけて話してみましょう。
同じペース同じ言葉の区切り方で淡々と話してしまうと台本臭さが増します。何より熱量が伝わらなくなってしまうので聞いている側が飽きたり集中力が無くなったりしてしまいます。歌のAメロ→Bメロ→サビといった様に、盛り上げながら一番伝えたいところをしっかり伝えましょう。
③余計なマイナスイメージ・情報を与えない
番組内ではさりげなく実演中汚れた机を拭いたり使用した商品を拭ったり、常に空間を綺麗にしていた部分を褒められる一幕がありました。
これは話し方でとても大切な部分です。
一度余計な情報が気になってしまうと話に対する集中力が減るのです。
人間は二つのことを同時に考えることができません。
机が汚れてるな、この人猫背で自信なさそうだな、なんて考えている間は話を聴けていません。また、一度マイナス感情が生まれてたりこの人はこういう人なんだというネガティブな評価がされてしまうと、話自体の評価が下がる可能性もあります。
自分が発表しなければいけない時、時間がある限りムービー等で確認しましょう。
自分が思っているより余計なことをしている可能性はあります。
結局最後は人と人
いいスピーチをしたい。いいプレゼンをしたい。だけど台本の作り方がわからない。そんな人に読んで欲しいお話です。こんにちは、ボイストレーナーの入来院真嗣(@contro_re)です。話し方としては会社の社長さんや議員さん、また、就活対策[…]