声優養成所に通いたいけど大学進学と悩んでいる。
大学通いながら両立しているけど最近不安だ。
そんな悩みにお答えします。
こんにちは、ボイストレーナーの入来院真嗣(@contro_re) です。
『今回のテーマ』
・進路に悩む原因の明確化
・両立と一本勝負それぞれのメリットデメリット
・両立させてた体験談
今回は声優養成所を目指しているけど一本で頑張るか、それとも大学進学をしながら養成所と両立させるべきかなどについてお話しします。
結論から言うと両立は可能です。ただし、通う大学や学部にもよります。
現在はボイストレーナーとしてプロや歌の専門学校生と一緒に毎日楽しくレッスンをしています。
上記実績からも、大学と養成所の両立は可能だと言えます。
ちなみに学科の同期(クラスメイト)に現在第一線で活躍している赤崎千夏さん(81produce)がいますし、現在現場で活躍されている声優さんでも大学卒の方はたくさんいらっしゃいます。
ただ、もちろん意識しなければいけないポイントがいくつかあるので、諸々含めてお話ししていきたいと思います。
是非最後までお付き合いください。
声優養成所と大学進学の両立を悩む理由
大学進学と悩む理由は様々ですが、大きく4つ挙げられます。
親
時間
お金
体力
原因は人それぞれです。
そして、原因がハッキリすれば解決方法も浮かびやすくなります。一つ一つみていきましょう。
①親
まずは純粋に身内の了解が得られない場合。
これは進学前の悩みです。
親は子供の将来が心配なものです。
それが影響して、『最終学歴高卒で夢を追いかけて夢破れでもしたらどうするんだ。せめて大学は出ておきなさい』などと言ってきます。
もしくは心配というよりも ”声優なんてなれるわけがないだろう” という気持ちが勝ってしまい、最初から夢が叶わなかった先のアドバイスしか考えていないという場合もあります。
どちらにせよ、親と意見が合わない場合とても悩みます。
②時間
次に『時間』
進学したとして、大学の授業やレポート、ゼミ、卒業論文(研究)などなどに時間を奪われて、プロになるのが遅くなったりしないか。遅くなるだけならまだしも、若さという貴重な時間を無駄にしてチャンスを逃してしまわないか
という悩みです。
年相応以上の基本的な技術があることが前提ですが、これがあると若さが武器の一つとして使えます。
特に、最近はレッスンをしていても若い女の子がすごく焦っているのを感じます。
『最近の流れなら20代から始めるんじゃ遅いくらいだ!』なんて言ってすごく頑張っています。
貴重な時間を無駄にするくらいなら養成所に通って、それ以外の時間は全部技術の向上に当てたいというのも頷ける話です。
③お金
『お金』も悩みの種です。
身内の応援がないと自分でお金を稼がなくてはいけません。特に、地方に住んでいて高校時代アルバイトもしていなかった場合、後ろ盾がなければ先立つものがないので地元でお金を稼ぐところから始めなければいけません。
半年にせよ一年にせよ、地方でただ働くくらいなら大学進学で援助してもらいつつの方がいいのでは?、などと考えてしまいます。
時給の低い地方で居心地悪くバイト漬けの生活をするくらいなら、親を安心させるという意味でも進学してもいいのかなと悩みますね。
また、大学に通うにしても授業料を自分で払わなければいけない人もいます。
奨学金として借りることもできますが、成績優秀で返済不要な場合を除き大学卒業と同時に毎月数万円ずつ返済しなければいけません。
これも夢を追いかける上で足かせです。
④体力
そして最後に『体力』
そもそも自分の体力で大学に行きながら養成所に通いながら、学校の勉強をしながらお芝居の勉強をしながら、アルバイトをしたりできるのだろうかという不安があります。
今までの小中高の進学と違い、大学や養成所というのはなかなかに未知の世界です。
知らない世界はとにかく不安ですよね。
そういった意味でも大学進学で余計な体力使いたくない、なんて悩みの人もいます。
大学に通うメリット
それでは一度、大学に通うメリットに目を向けてみましょう。
学歴や資格
今この瞬間声優に憧れていたとしても、大学に進学して広い世界に触れるうちに考え方が変わる場合があります。
また、”自分は今の場所と違うキラキラした世界に憧れていただけで、進学してしばらくすると自然に気持ちがなくなっていく人”や、”別に声優じゃなくても自分が自分なりに輝けていたら満足という人”もいます。
そんな時、大学に進学していると学歴や資格等において人生の選択肢が増えます。
『職業に貴賎なし』
『学歴で人を判断するな』
という言葉は全くもって正しい限りですが、実際問題として現実は学歴や資格の有無で人の印象は左右されがちです。
人生の選択肢が増えるというというメリットは決して小さくありません。
時間の管理が上手くなる
朝から晩まで決まった時間に通って決まった時間割を消化していた今までと違い、大学は基本的に自分で授業の時間割を決めます。
必修科目という卒業までに絶対とらなければいけない授業
選択科目という自分の興味関心から自由に選んでいい授業
があり、それらを自由に組み合わせることができるのです。
将来のために一年生の頃ガッツリ入れたり、養成所や大学サークル、アルバイトなど様々なスケジュールをやりくりしなければいけないので自然に時間管理が上手になります。
逆にいうと、サボり放題周りに流され放題でもそれを非難する人はいません。
無為に過ごすとあっという間に無駄な4年間が過ぎ去ってしまいます。
サークル等の青春
これもまた、小中高の頃やフリーターとは違う時間の流れを体感することができます。
学生という身分でありながら大人としての責任も生まれる
お酒やタバコといった嗜好品が解禁される
24時間を自由に使っていい
本当に時間の使い方に個性が出てきます。
また、そんな大学・大学生という特殊な空間を舞台にした作品はたくさんあります。
人生で何を経験をしてどういう感情の動きをしてきたかというのはお芝居に大きく役立ちます。もちろん未成年のフリーターだって、逆に大学生が真似できないオンリーワンの経験です。
『どちらの方が自分の役に立ちそうか』と考えることが大切です。
両立せずに養成所一本でいくメリット
じゃあ一本で行くのはよくないんでしょうか?
そんなことはありません。
特に、”芝居に集中できる”というのは大きなメリットです。
技術向上に集中できる
大学に通わない
そうするとアルバイトの時間以外は全て自由です。身体を休めるもよし、技術を磨くもよし、体力を磨もよし、なんでもありです。
やりたくもない授業を聞くこともなく、
課題に取り組むこともなく、
時間の全てを大学生以上に自分で自由に決めることができます。
熱い気持ちがあって毎日頑張れる人はこちらの選択肢も決して間違いではありません。
それぞれのデメリット
では、お互いのデメリットはどんなことがあるでしょう?
突き詰めると、大学進学との両立と養成所一本勝負はどちらでもいいのです。
大切なのは『時間の使い方と意識の仕方』
これに尽きます。
以下一つずつ失敗談をお話しします。
同じ養成所に通ったり、同じ夢を持って別の養成所に通っていた大学生やフリーターのお話しです。
大学進学して失敗した例
『研究授業の増加』です。
理系の大学に進学したことがたたり、授業以外の時間で自分で研究、その成果を発表しなければいけなかったりすることが増え時間がなくなってしまったのです。
練習したくても研究。
アルバイトに行きたくても研究。
いつの間にか夢を諦め、研究きっかけでそういうことができる道を探し就職して行きました。
頑張ってきたものを諦めなければいけない瞬間は辛そうでしたが、元々興味があった世界なだけに就職に上手く切り替えられたそうです。
ただし、オーディションに参加したりしたこともありアニメは眩しすぎて見れなくなったと言っています。
養成所一本勝負で失敗した例
「自分は大学を辞めてまで夢に賭けたんだ!」
「絶対に声優になってやるんだ!」
とてもかっこいいなと思いました。
自分にはできない選択肢でした。
しかし残念なことに、その人物は大きな選択に酔ってしまいあまり芝居の勉強をしませんでした。
「たくさんバイトに入れるから貯金できる」
「貯金があるからオタ活が捗る」
などと言って一消費者になってしまった彼は結局夢やぶれ、現在どこで何をしているかはわかりません。
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紙に書き出してみよう
以上ざっくりと悩む原因、そして大学に進学して両立するメリットやデメリットについてお話ししました。
大切なのは自分が何を優先して、そしてどんな時間の使い方をするかです。
それによって人生は充実もするし虚しく流れていくだけにもなります。
今悩んでいる人は、原因・メリット・デメリットを紙に書き出してみましょう。
誰もが幸せリスクは一切なし、そんな選択は人生には起こりません。
自分なりに吟味し、最終決定を自分なりに下す必要があります。
今の子供達も同じなのかわかりませんが、僕らが小学生の頃は遠足に行く時『おやつ(駄菓子)は300円まで』というルールがありました。
これにより何を買って何を諦めるかなど悩み抜いたものです。
スケールは違いますがやることは一緒です。
・親を納得させることを第一に考えるのか
・納得させた後に得られるメリットをとるのか
・自分の意思を貫くのか
・その時の問題とどう立ち向かっていくのか
などなど。
他にもお金や時間、体力等でも同じように書き出しみましょう。
頭で考えても考える端から消えていく可能性の方が高いので、冷静に見比べるためにも一度全て書き出してみてください
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僕の場合
最後に僕の場合をお話しします。
・親が進学しろと譲らなかった
・進学するなら学費も養成所代も出すし仕送りもする(ただし国立限定)
・進学しないなら自分で全て稼げ
という条件があったため、地方の片田舎に住んでいた身としては学費や一人暮らしに必要な生活費を稼ぐだけの生活が考えられませんでした。
実際に進学を決めると『1~2年生の間はバイトはするな、勉強しないなら養成所代は出さない』と言われ、いざ二年生も半ばになってくると『3年になったら就活が始まるけど就職はどうするんだ』と言ってきたので、人のお金を当てにしている場合じゃないと思い慌てて時給の高い深夜バイトを始めました。
心配からくるものだとは思いますが、最初から諦めさせるつもりだったんでしょう。
結局1~2年生の間にたくさん単位をとっていたため、
昼間は残りの授業とサークル
夕方は養成所
深夜にアルバイト
という生活を送っていました。
隙間時間でアカペラサークルに所属したくさんライブをしたり、睡眠不足気味でしたがとても充実していました。
今現在両立の選択をして悩んでいる人も諦めず自分の考えを貫いてください。頑張り方さえ間違わなければ、結果はついてきます。大切なのは頑張り方です。
ゴールを見据えて今自分に必要なことを全力でやりましょう!
最後に
自分の人生を良くするために選択しなければいけないのだから、進路は悩むものです。
選択して、突き進んで、その上でまた新しい問題が出てきたら取り組みましょう。
誰かのせいや何かのせいにして諦めていると、その瞬間はいいかもしれませんが後で必ず後悔します。
あなたの人生はあなただけのものです。
最良の選択ができますように。
自分がやりたいことがある。やったほうがいいんだろうけどやる気が出ない。何々といった理由があるから動けない。忙しいから動けない。そんなことを考えている人にお話します。こんにちは、ボイストレーナーの入来院真嗣です。今回は何もしないくらいな[…]