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しっかり意識して効果アップ!発声練習の定番”あめんぼ”のコツ

発声練習ってどういうことしたら良いんだろう。
あめんぼって有名だけどコツとかあるのかな?


そういう人に読んでほしいお話です。

 

こんにちは、ボイストレーナーの入来院真嗣(@contro_re)です。

 

芸能事務所での声優俳優音楽活動を経て、現在はボイストレーナーとしてプロや専門学校の生徒とレッスンをしています。


『今回のテーマ』

・発声練習の大定番 ”あめんぼ” 
・”あめんぼ” のコツ
・練習する上での注意点

 

今回は “あめんぼ” について。

役者を目指せば必ず通る作品です。
滑舌練習、発声練習の定番として長く使われ続けています。

目的意識をもってしっかり練習するとあなたの発声や滑舌が少しずつ改善ていくことでしょう。カラオケで一曲も歌えなかったくらい発声や滑舌に問題あった僕が事務所と契約し、その後人に教える仕事に就いた経験をもとにポイントをお話しします。


ぜひ最後までお付き合いください。
 
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発声練習で使う “あめんぼ” って?

 

まずは全文の pdf データを置いておきます。
下にも本文を掲載しますが、確認したい人は自由にご利用ください。

北原白秋『五十音』全文

 

正式名称は『五十音』

 

“あめんぼ” で親しまれるこの作品ですが、正式には1922年発表、北原白秋作の『五十音』というタイトルです。

 

『水馬(あめんぼ)赤いなアイウエオ』から始まるため、通称で “あめんぼ” と言われるようになりました。

今では “あめんぼ”“あめんぼの歌” がタイトルだと思っている人も多いです。

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あめんぼを練習する上で気をつけること

 

それでは、”あめんぼ” をやるにあたってのポイントです。

ガムシャラにやったりなんとなくやるより、目的意識をもって挑戦すると練習効率は何倍にもなります。

< 注意点 >


 のどで音を切らない

 顎をリラックスさせる

 言葉とリズムを意識する

 ゆっくりハッキリ喋る


 

のどで音を切らない

 

のどで切る、というイメージがつかない人もいるかもしれません。

のど周りに力を入れて『心臓の音マネ』をするときの筋肉の使い方に近いです。

 

 

 

上手な方がいたのでわかりやすい音の例として貼っておきます。

喉に力が入っている人は普通に喋るとき、この息をせきとめるような緊張を慢性的に繰り返しているのです。

このブログではちょくちょく説明しているのですが、声帯で言葉が作られるわけではありません。声帯が振動して生まれた音が、口の形次第で様々な音に聞こえるのです。
 

まずは声を出す瞬間などに喉で音を切らない意識を増やしてみてください。

 

顎をリラックスさせる

 

口の開閉の筋肉は一つだけではありません。

下顎を大きく下に引っ張る筋肉(口を開ける役割も果たす筋肉)とは別に、下顎と上顎を近づける『口を閉じる』筋肉があります。

 

<やってみよう>

歯をグッグッと噛みしめながら、

①もみあげの下あたり

②こめかみの辺りこの二箇所に手を当ててみてください。

筋肉が動いているのを感じられれば成功です。

 

この辺りをリラックスさせながら、奥歯を噛みしめないように注意しましょう。

 

有名な<割箸トレーニング>


テレビで紹介されて有名になったトレーニングとして、割箸を2膳、太い方を縦にして喉の奥を開くような状態にしながら「あーー」と声を出す発声練習があります。どうしても一人で練習していて脱力や口の中を広くするイメージが持てない人は挑戦してみても良いかもしれません。

 

言葉とリズムを意識する

 

この “あめんぼ” は4・4・5のリズムでできている作品です。

 

リズムに合わせて単語や文を意識して話すと、 ”言葉を扱う” という感覚が少しずつ磨かれていきます。

言葉と、その言葉のイメージをしっかり頭の中に持ちながら読む練習をしましょう。

 

ゆっくりハッキリ喋る

 

そして一番大切な部分。

速く言えたからといって偉いわけじゃありません。
 

母音の形、移り変わりを感じながら正確に読みましょう。

母音の口の形に関してはこちらの記事を参照してください。

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口の開きや表情筋、舌の動きなど様々なことを感じながら練習しましょう。

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練習用のあめんぼ全文

 

それではあめんぼの本文です。

実際に声に出して読んでみてください。猫背になったり首を前に突き出さないようリラックスした良い姿勢で挑戦しましょう。

『五十音』 北原白秋


(水馬赤いな。ア、イ、ウ、エ、オ)
・あめんぼあかいなあいうえお



(浮藻に小蝦もおよいでる。)

・うきもにこえびもおよいでる



(柿の木、栗の木。カ、キ、ク、ケ、コ。)

・かきのきくりのきかきくけこ



(啄木鳥こつこつ、枯れけやき。)

・きつつきこつこつかれけやき



(大角豆に醋をかけ、サ、シ、ス、セ、ソ。)

・ささげにすをかけさしすせそ



(その魚淺瀬で刺しました。)

・そのうおあさせでさしました



(立ちましょ、喇叭で、タ、チ、ツ、テ、ト。)

・たちましょらっぱでたちつてと



(トテトテタッタと飛び立つた。)

・とてとてたったととびたった



(蛞蝓のろのろ、ナ、ニ、ヌ、ネ、ノ。)

・なめくじのろのろなにぬねの



(納戸にぬめつて、なにねばる。)

・なんどにぬめってなにねばる



(鳩ぽつぽ、ほろほろ、ハ、ヒ、フ、ヘ、ホ。)

・はとぽっぽほろほろはひふへほ



(日向のお部屋にや笛を吹く。)

・ひなたのおへやにゃふえをふく



(蝸牛。螺旋巻、マ、ミ、ム、メ、モ。)

・まいまいねじまきまみむめも



(梅の實落ちても見もしまい。)

・うめのみおちてもみもしまい



(燒栗、ゆで栗。ヤ、イ、ユ、エ、ヨ。)

・やきぐりゆでぐりやいゆえよ



(山田に灯のつく宵の家。)

・やまだにひのつくよいのいえ



(雷鳥は寒かろ、ラ、リ、ル、レ、ロ。)

・らいちょうはさむかろらりるれろ



(蓮花が咲いたら、瑠璃の鳥。)

・れんげがさいたらるりのとり



(わい、わい、わつしよい。ワ、ヰ、ウ、ヱ、ヲ。)

・わいわいわっしょいわいうえを



(植木屋、井戸換へ、お祭りだ。)

・うえきやいどがえおまつりだ

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定番だからこそ基礎を大事に

 

以上 “あめんぼ” のお話でした。

なんとなくでもやらないよりマシですが、できれば練習をするときはしっかり目的意識をもって、集中して頑張ってみてください。

表情筋を使いながらしっかり練習すると効果抜群です。

そして、できれば録音しながら挑戦しましょう。

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