サイト改装中。ちょいちょい変わります。

声優養成所選びのポイントや実際の雰囲気などについてお話しします

声優になりたい。そんな情熱を燃やしながら養成所に悩んでいる人、この時期から増えてきます。そういった人に読んで欲しいお話しです。どういった部分に悩むことが多いかとその答えを、実際に養成所に通った経験からお話しします。

こんにちは、ボイストレーナーの入来院真嗣です。

夏休み、普段はこれから様々な専門学校や養成所でオープンキャンパスや体験レッスンがたくさん始まります。

そんな中で養成所選びで悩んでいる人は大体以下の4つが多いです。

1・どこを選んでいいかわからない
2・どんなことをするんだろう
3・養成所毎にレベルの高い低いはありますか?
4・専門学校と迷っている

 
生徒ねこ
答えられるの?
 
〜筆者実績〜

・声優の養成所に入る
・特待生になる
・事務所と契約してお仕事する
 &
・ボイストレーナーとして専門学校で講師をする



以上の経験から実際に体験したことや体感したことを基にお話ししたいと思います。

僕の経験が学校選びのヒントになれば幸いです。

どこを選んでいいかわからない


養成所選びで悩んでいる人はまずいくつかのポイントを押さえましょう。

学費

授業数

進路先

卒業した先輩

この辺りは学校を見比べるあたりで絶対に必要です。

これらを考えたことがない人は必ずチェックしましょう。決め打ちで養成所に飛び込むのは少し危険かもしれません

 

養成所は事務所付属の養成機関


 養成所は事務所と直結しています。

それは、事務所の大人たちに ”良いね!” と思ってもらえたらすぐにお仕事につながる可能性があるということです。

逆に言えば、事務所が首を縦に振らない限り所属はできません

そして事務所付属の養成所にいながら事務所が首を縦に振らないのであれば、辞めるか、縦に振るまでしがみつくしか選択肢はありません。

 
生徒ねこ
しがみつく…
 

本当にあった怖い話


僕がいた事務所ではないですが、とある大きな事務所付属の養成所に通っていた友人のお話しです。

ルックスは決して悪くなく、実力は事務所のディレクターさんのお墨付き。


そんな友人が当時言われてた台詞は

お前相変わらず上手いなー
でもウチの色じゃねーんだよなー
どうすっかなー


だったそうです。

 

 
生徒ねこ
…かわいそ
 


・実力がある

大人達を納得させることができれば実績にもつながる

お金も生み出せる。


……だからこそディレクターさんも悩んだんだと思います。

下手に他所に行ったほうがいいと言って大ブレイクしてしまうと「何で手放したんだ!」とさらに上から怒られかねません。しかし、

 
生徒ねこ
しかし!


しかし、夢を追いかけて養成所に飛び込んだ側としてはたまったもんじゃありません。

『実力があっても事務所と色が合わなければ売り出してもらえない可能性がある』

“芸能” という ”ビジネス” を扱っている以上、大人達のこういう判断は常につきまとうことを覚えていてください。

学費と授業数


その上で、どこの学校に通うかとして大きな問題がお金と授業時間です。

週1? 週5?
半年更新? 一年更新?
レッスンは1クラス何人でどれくらい?



必ず調べましょう

最後の疑問に関しては体験入学等で実際に養成所に近づかないとわからないかもしれませんが、入ってからグループレッスンの人数が多く授業時間が短く、思ったより自分が見てもらえる時間が少ないと言っても仕方ありません。

また、自分で学費を稼いで通う場合金額とバイトに使う時間は計算しなければいけません。

バイトをまだしたことがなかったとしても、どれくらいの時給のバイトを月に何時間入れば学費や生活費を賄えるのかという覚悟はあらかじめあったほうが途中で辛くなりにくいです。

どういったレッスンがあるのか


そして授業内容。

実際どういったレッスンをするのかも大切です。

芸事は一生勉強で様々な技術の集合体ですが、学校として運営しなければいけないので必ず大雑把にでもカリキュラムがあります。

初級クラスでは基礎発声や呼吸、感情表現を学び、

中級クラスでは体を動かしながら実際に掛け合いの芝居を行い、

上級クラスではアフレコを実践する

といった具合です。

 

 
生徒ねこ
楽しそう


楽しかったです。

養成所によっては他にもボーカルの授業があったり、ダンス、日舞、舞台など様々なレッスンが方針によって用意されています。

楽な道はない、だけど嫌々でも意味がない


ここで意識したいのは

『自分はプロ目指してるけどあんまレッスンとか受けたくないから週1でいいや』

そんな甘い選択肢は無いということです。

 
生徒ねこ
そんな人いるの?


います。

残念ながら。


プロになりたい。
でも人見知りだから週1コースにした。

もちろんメンタル面の問題が関わってくるのでどんなペースで努力するのも本人の自由です。しかし、キャラクターに声を当ててキャラクターとして生きるという夢のような体験を仕事としてするためには他人との交流は避けて通れません。

アニメ一本にいったいどれくらいの人が関わっているかという話です。


そんな楽な道はありません。

そういう人が夢の世界に飛び込むためには、表面上だけでも問題なく他人とコミュニケーションが最低限取れなくてはいけません。

嫌々も良くない


かといって、レッスンを増やしたところで必ずプロになれるわけでもありません。

今日もレッスン明日もレッスンと続けていくうちに、自分を磨くことよりも『レッスンを消化する』ことが目的になってしまう人はとても多いです

どれだけレッスンを積み重ねても、意識が低いと結局得られるものは薄いです。

自分が将来どんなふうになっていたいのかを想像して、今自分に必要なちょうどいいハードルを自分で用意しましょう。

 

結局増えることもある

あくまで僕の話ですが、大学生の頃、僕は週2日の養成所に通っていました。
そこからディレクターさんに運良く注目してもらい、特待生(お金がかからずレッスンが受けられる枠)になるとレッスンが週3になり、週4になり……一番多い時は最大で週5日のレッスンになっていました。

もちろん養成所や事務所の人の方針にもよりますが、少ない回数から始めてもしっかりアピールできれば勉強の機会を増やしてもらえることもあります。頑張ってください!

養成所ごとのレベルの違いはありますか?


事務所付属の養成所といっても、事務所の大きさ・体力で雰囲気が全然違います。

すると気になってくるのが養成所の『質』

 
生徒ねこ
しつ!


大きい事務所の方がしっかりしているんじゃないか、小さい事務所だと用意される環境も小さくなってしまうんじゃないか。

そういった心配はあまり必要ありません。

少なくとも広告ではなく、雑誌の特集等で紹介されるような信頼や実績のある声優事務所付属の養成所に関してはどこもしっかりしています。

未経験の人が通って学ぶものが何もなかったということはあり得ません。

また演技経験があったとしても、現場で活躍する先輩・先生方から学ぶことはいくらでもあります。

生徒の質はどこもピンキリ

 
生徒ねこ
生徒のレベルは?


生徒は、どんな場所だろうが様々なレベルにばらけます。

大手で週4週5だとぐんぐんレベルが上がっていくのかというとそうでもありません。週1だったら薄いのかというとそこから現場に飛び出している先輩達だってたくさんいます。

僕自身は一つの養成所にいただけですが、そこに通っている間にたくさんの養成所からやってきた人と出会いました。また、養成所外のワークショップなどでは他の養成所や事務所で勉強している人たちとお芝居を学んだ経験もあります。

本当に様々な人がいました。

大切なのは、周りにどんな人がいようと自分なりに目標を高く持ってしっかり努力を続けることです。このあたりに関しては別記事を更新しているので是非チェックしてみてください。

関連記事

現在声優や俳優、歌やダンス、楽器など何かしらの養成所・専門学校に通っている人たちに読んで欲しいお話です。先の見えない不安の中で一緒に頑張ろうとスタートした仲間たちですが、いつの間にかみんなと仲良くなることが中心になってしまっていないでしょ[…]

 

専門学校と迷っている


専門学校の声優コースと迷っている人もいると思います。

何がどう違うか把握していますか?

 
生徒ねこ
わかりません!


はい。

専門学校はあくまで、技術を学ぶ場所です。

よくあるイメージは『専門学校は多くの人が入れるチャンスがあって養成所は入るためにオーディションがある』といったところでしょうか。

しかし、

 
生徒ねこ
しかし?


 養成所ビジネス という言葉があります。

これは特定の何処かがやっているというわけではなく相当数の事務所付属養成所がそうなのですが、浅く広く人を募集し、そのお金で数名の特待生を育成したり、事務所の運営の足しにするといった運営方式です。

悪どいところだと所属の肩書をチラつかせつつレッスン料として高額なお金を請求するという団体もあるので気をつけてください。


本当に可能性を感じる少数精鋭を育てるような養成所もありますが、大抵は少数を育てるためにクラスを複数にわけ、上下にランクを設置し、下のランクであればオーディションとは名ばかりで余程問題を感じるような人でなければ運営できるギリギリまで入所させるといった養成所も多いようです。

 
生徒ねこ
じゃあ、
何が違うの?


一番の違いは “卒業後の進路” です。

前述したとおり、養成所は事務所直結です。事務所の色に合わないと実力があっても拾ってもらえない場合があります。

その点専門学校は訓練校です。

卒業の時期になると大体複数の事務所関係者を呼んで公開オーディションを行います。

すると、うちなら可能性あるかもと感じてくれた事務所から声がかかり、そこから養成所に入ることになります。実力によって他の人と同じようにお金を払って入ったり、半額出してもらえたり、特待生として全額免除してもらえたりします

一度しかない人生で夢を追いかけているのだから、少しでも可能性が高い方がいいですね。

 

専門学校は授業がいっぱい

そして専門学校は文字通り専門的に勉強する学校なので、授業数と授業内容の数は養成所の非ではありません。

ざっくりと週1で演技基礎を2時間などという養成所と違って、

週5の中で


発声
発音
ボディワーク
朗読
MC
レコーディング
英会話


などなど無数にあるレッスンの中から必須科目や選択科目などを選択していきます。

徹底して技術を磨きたい、その上で一番勝負をかけられそうなところに行きたいという目標がある人は専門学校に通うのもオススメです。ただし当然ですが費用は養成所より高くなります。

本当にあった怖い話その2


とある養成所で特待生だったの声優の卵がいました。

その後契約につながらずその事務所からのデビューを諦め、一度別の養成所にオーディションで入ったのですが、入ったあとでディレクターさんから

君の演技ってウチの〇〇っぽいよね。
同じ芝居は2人いらないんだよなー

と言われて一年間必死で芝居とはという部分について頭を悩ませたそうです。

実力の問題ではなく事務所として商品を並べた時のバランスの問題。

結局その養成所では、所属どころか特待生になることも叶わず、別の事務所でマネジメントしてもらえるようになりましたとさ。

 
生徒ねこ
…かわいそー


「入ってからそんなこと言うなよ!」とは友人談。
こうなってしまうとガラッと自分を変えて事務所に合わせるか、一年諦めつつ次のために努力を続けるか選ぶ必要があります。友人は後者を選びました。

いきなり養成所から飛び込むとこういうマイナスイベントが起こる可能性もあるのです。

その分費用は安い

とはいえ、費用の面では当然養成所の方がお得で、一週あたりのレッスン数が少なければ少ないほど専門学校よりかかる費用は少ないです。(一部最大手で、専門学校としての資格がないだけで同じくらい濃厚なところもありますがそれは当然お高いです。

また、半年や一年で一区切りなのでそこで養成所を去るという選択肢も取りやすいです。レッスン以外の時間も自分なりに考えて自分なりに使うことができるので、フットワークの軽さは養成所の方が強みだと思います。

結局は自分次第

以上ざっくりと経験を踏まえて声優養成所選びで起こる悩みについてお話ししました。

僕が通っていた養成所は細かくランク付けされていたり、芝居以外のプロの卵もいっぱいいたためとても刺激的で楽しかったです。何より大手事務所の養成所だったので施設がとても綺麗でした。

ただ、やはり努力する人としない人の差はありました。

施設が綺麗な分その空間にいるだけで芸能の入り口に立ったかのような錯覚すら感じるくらいで、だからこそただ通っているだけという人も多くいました。目標に向かってしっかり努力する気持ちが大切です。

高校から卒業してそのまま進路として目指す場合、あなたの進路は夢への第一歩です。誰かや何かのせいにしていてはあとで絶対後悔します。

自分なりに自分の夢に近づけるよう、後悔しないようしっかり考えて選び抜きましょう。

あわせて読みたい

こんにちは、ボイストレーナーの入来院真嗣です。先日うちの猫がこんなツイートをしました(先生はたまに、私(僕)プロになれますか?って質問されるらしいんだけど、これって変だよね?なれませんっていったら諦めつくのかな?なれますって言ったら[…]

趣味で楽しく始めたいなら(PR)
 


プロを目指しているわけではないけれど歌や話し方が上手くなりたい、趣味で音楽や話し方を学びたいという人は全国にある音楽スクールもオススメです。スケジュールや講師を自由に選びながら比較的安価でマンツーマンのレッスンを始めることができます。

 


 

AD