ボイトレCDを聴いて毎日真似してる。先生の言うことを意識していつも歌っている。なのになんだか効果が薄い。CDのお手本や先生と自分は何が違うんだろう。そんな人はちょっとこの記事を読んでみてください。
こんにちは、ボイストレーナーの入来院真嗣です。
今回は首の骨を意識してみる回です。
もちろん。
実際に首(を含む身体全部)のバランスを整えた結果1オクターブくらいで声が枯れていた10代の女子生徒が見事、事務所所属を決めデビューした実績があります。
当然本人が発声以外の努力も沢山した結果のデビューですが、こと発声に関してはこの子の場合、そして大体の上手く歌えない人もこの部分が疎かになりがちです。
言われてみれば当たり前なんだけれど意外に意識したことない人が多いので、復習みたいな気持ちでお付き合いください。
・”支え” があるから喉や顎が自由になる
・首の骨は口の奥、壁の向こう側にある
そもそも首の骨ってどこにある?
突然ですが質問です。
1000人以上レッスンしてきて、9割の人が正解するけどまれに間違う人のいる問題です。
え? 並び替えるの?
はい正解!
答えは書いてある通りの順です。
気道があって、食道があって、壁を挟んで首の骨があります。身体のパーツをしっかりイメージできることは使い方の自由度にも影響するので、もし間違えて覚えていたという人はしっかり覚え直しておきましょう。
頭の重さを知ろう
首の骨が大切な理由。
それは、頭蓋骨と胴体をつなげる役割を果たすからです!!
まぁまぁ。
ちなみに、人間って頭の重さどれくらいだと思う?
猫だし…
そうでした。
ちなみに、成人の平均は体重の約10%と言われています。体重50kgなら大体5kg、60kgなら大体6kgとなります。
お米!
そうそう。
スーパーには5kgのお米が売っているので、頭の重さを感じたい人は持ってみるといいでしょう。もしくは2リットルのペットボトルを2つ持っても4kgなのでお試しください。そんな重たい頭部を筋肉で支えようとするとどれくらい大変かを感じることができると思います。
骨でつながり分散させる
特に、両腕突き出して前ならえの姿勢でお米を持とうとしてください。
とてもしんどいと思います。
平気な人でも長時間持ち続けると大変でしょう。
しかし、抱えるようにお米を持ってみるとどうでしょうか。前ならえの姿勢で持つよりとても楽だと思います。これは重心が安定していて、負担を全身に分散させているからです。
そしてこの役割を果たしているのが、首の骨です。
厳密には首から骨盤まで、頸椎、脊椎、腰椎と名前が変わりながら大きな ”背骨” が身体を支える一本の柱の役割を担っています。
支えがあるから自由に動ける
そして、喉の筋肉はこの辺の “支え” とつながっています
頭蓋骨、首の骨、肋骨。この辺です。
この辺の支え(土台)がしっかりしているから、下顎や喉が自由に働くことができる、というイメージです。
1・骨盤から耳の辺りまで伸びる背骨(首の骨)を感じます
2・しっかり息を吸って肋骨を広げます(土台作り
3・首の後ろが縮まないよう気をつけながら頭蓋骨を乗せます
4・”支え” を感じたまま驚いたように息を吸い込み、口の中を広げます。
5・広さをキープして、頭蓋骨・首の骨・肋骨の支えを感じながら声を出しましょう。
口の中を鏡でみると、一番奥に壁が見えると思います。
当たり前ですが首の骨はそれより後ろにあります。支えのイメージを正しく意識しましょう。
最後に
本当は全身のバランスが大切なのですが、文字だけでは僕のレベルでは説明不可能なのでまずは首の意識のお話でした。
頭が倒れて首の後ろが縮みすぎないよう気をつけつつ、無理せず頑張ってください。