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話し方で印象を良くする声のトーン『ソ』の音の疑問と答え

ソの音で話し始めると印象がよくなると聞いた
ソっていっぱいあるじゃん
話し方で良い印象を与えたい


そんな人に読んで欲しいお話しです。


こんにちは、ボイストレーナーの入来院真嗣(@contro_re)です。

普段はプロからアマチュアまで、歌や話し方、声優などのレッスンをしています。
講師業をする前は事務所を通して声優や俳優、音楽のお仕事を経験しています。話し方という意味では全国CMナレーションやイベントの司会を経験してきました。

『今回のテーマ』

・声のトーン効果の誤解
・音程を意識しすぎて起きる弊害
・真似をして音の変化に慣れよう


今回は『声のトーン』についてのお話しです。

” 話し方ではソ(ラ)の音で話すと印象がよくなる “ という話をよく耳にします。

 

 
生徒ねこ
聞いたことある!

 

実はこの言葉に対して、『固定ド』『移動ド』『どちらか説明なし』で解説されているという事実をご存知でしょうか?

実はどういうルールで “ソ” の音を出しているかによって出すべき音は変わります。

これを知ることで各情報をどう受け止めるかあなたなりの判断ができるようになります。前半は理屈、後半は話し方における弊害や考え方についておお話ししています。飛ばし読みでも構わないのでぜひ最後までお付き合いください。
 
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話し方と声のトーン効果の誤解

 

まずはこの『固定ド』と『移動ド』の違いについて説明します。

 
生徒ねこ
お願いしまーす

 

固定ド

『固定ド』とは画像の緑の丸の位置、音名 ” C ” を『ド』と固定してそこからドレミファソラシドと音の高さを決める方法のことです。

音楽の授業で初めて習う時は日本ではこの固定ドが使われます。

この場合、「ソの音で話しましょう」と言われたら、ソの音の高さは画像の青の丸の位置になります。できれば無料のアプリなどで実際に音を鳴らして確認してみてください。

 

移動ド

移動ドとは、ドレミファソラシドを『階名』として捉える考え方です。キーがCの時は固定ドと同じ位置からドレミファソラシドですが、キーが変わるとドの位置も変わります。


画像ではキーをEとした場合です。

移動ドの考え方でいくと『ド』の音は緑の丸の位置になり、『ソ』の音は青の丸の位置になります。これらはそれぞれ、固定ドの理屈でいくなら『ミ』と『シ』の音ですね。

 

 
生徒ねこ
ややこしい!

 

そうなんだよね。

 

解説している人によってバラバラ

 

話し方の記事なのでこれ以上音楽的な追求はしませんが、話し方のページを巡っているとこれが本当にごちゃ混ぜになっていて人によって言っていることが違っています。

 

固定ド派

『ソ』の音はここです、と画像や音で説明してこの高さで話始めましょうというスタンス。

 

移動ド派

あなたが普段出す、自然な声を『ド』としてそこからドレミファソと音を上げていきましょう、その時の『ソ』の音があなたにとっていい印象を与える音の高さです。というスタンス。

 

説明無し派

『ソ』の音が相手にいい印象を与えます。心地のいい音や響きを含んでいるんです。ソの高さから話始めましょう。というスタンス。

 

どれが元々正解かわからなかった

一応自分なりに軽い気持ちで検索はかけたのですが、結局元々はどちらの『ソ』がいい印象を与えるのかわかりませんでした。すみません。

しかし、あくまで一個人の意見として言わせて貰えば、『移動ド』で考えた、つまり『あなたが普段出す声の高さからドレミファソと上がった時のソの位置』という考え方を支持したいと思います。

 

固定ドだと人によって普段出す声の高さとの距離に差が出る

もう一度固定ドの時の画像をみてみましょう。

青い丸の位置が『ソ』です。この音の高さがいい印象を与えるんだな、というスタイルでいくと “緑の丸の位置が普段の声の高さの人” と “青丸の一つ隣の位置の人” だと音を出す時発声の労力が変わってきます。

 
生徒ねこ
遠い人が不利だね


その通り。

また、1オクターブ下の『ソ』の音で話している人はどうなるのでしょうか。ソの音の響きがいいから声の高さは変える必要がないのか、それとも1オクターブも高い声で話さなければいけないのでしょうか?

そう言った理由、そして好印象を与えたいという目的から考えて僕は今のところ移動ドの考え方を支持しています。

誰かにいい印象を与える時『ソ』の音から話始めるのがいいのだとしたら、あなたが普段出す声の高さを『ド』としてそこから5度上、ドレミファソと上がっていったときの『ソ』の音から話始めてみましょう。

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話し方で音程を意識しすぎる弊害

と、以上まずは話し方でよく聞くテクニック『ソの音で話そう』についてお話ししました。


あくまで僕個人の意見なのでもしかすると固定ドの考え方で出す『ソ』の音が正しいのかもしれません。この記事を読んで視野が広がった上で、あなたなりに判断してください。



その上で、以下は音程を意識しすぎるデメリットについてお話しします。

 

抑揚の幅が狭くなりがち

 

よくある失敗例が『音の高さを気にしすぎて下がれなくなる』というものです。

自然に読めば音は上から下に流れてたり、言葉の強調や感情の起伏によって音の高さがある程度変わります。

しかし良い声で喋ろう、良いイメージで話そうと頑張りすぎる人は『ソ』の音を意識しすぎてかえって単調に、淡々と聴こえてしまう場合があるのです。

 

不自然に聞こえると逆効果

 

誰かに良い印象を与えたいのに、結果として不自然に聴こえたり違う印象を与えてしまうととてももったいないです。

 

 
生徒ねこ
たしかに

 

極論ですが試しにあなたの『ソ』の音を見つけたら、全部その音程で喋ってみてください。

 

 
生徒ねこ
ワーレーワーレーハー……

 

……そのネタって今の若い人知ってるのかな?

同じ音程で話し続けるととても不自然だと思います。

抑揚が少なく音の幅が少な過ぎればすぎるほど、極論この『不自然』に近付くと思ってもいいでしょう。

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話し方が上手い人の音程の上下を真似しよう

 

以上をもとに、最後は上達の秘訣です。

ざっくりと『話し方のレッスンを受ける』『身近な上手い人の真似をする』という手段があります。

いきなり音の抑揚だなんだと言われても、自分一人でうまくコントロールできる人は少ないです。これを解決するにはよりわかりやすく知識を仕入れるか、上手い人の技術を盗む必要があります。

知人でも、画面の向こうの誰かでも構いません。誰かに好かれている人の話し方を積極的に真似してみましょう。

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