歌が上手くなりたい。
そんな人に読んで欲しいお話です。
こんにちは、ボイストレーナーの入来院真嗣(@contro_re)です。
普段はプロや歌の専門学生、その他夢を追いかける人たちと毎日レッスンしています。講師業の前は自身も事務所を通して声優や俳優・音楽活動を経験してきました。
『今回のテーマ』
・Spotifyの “シンガロング” 機能について
・シンガロング機能を使ったカラオケ練習
・シンガロング機能を使ったボイトレ上達法
今回は世界最大手の音楽配信サービス『Spotify(スポティファイ)』のスマホアプリに搭載された機能『シンガロング(Sing Along)』についてお話しします。
これを読んで練習すれば、カラオケの音程バーに頼らなくてもある程度歌える人なら誰でもワンランク成長できます。シンガロング機能を知っている人も知らない人も、ぜひ最後までお付き合いください。
Spotifyの『シンガロング』機能とは
まずは機能の説明です。
シンガロング機能は音楽配信サービス『Spotify(スポティファイ)』が提供するアプリ内で使える “ワンタップでボーカルの音量だけを小さくする機能” のことです。
・完全には消せない
・全楽曲対応ではない
ただし注意点として、完全にボーカルがoffになるわけではありません。小さいですが聞こえます。しかし後述しますが、素敵な歌声はこういう楽器に支えられて作られていたんだというのがわかる絶妙なうっすら具合なので個人的にはこれくらいの薄さで大歓迎です。
また、全楽曲対応ではない部分にも注意が必要です。
順次対応曲拡大中ということですが、やはり権利関係で色々あるのでしょう。対応している曲としていない曲があります。
シンガロング機能の使い方
使い方はとても簡単です。
まずはお手元のスマホにアプリ版『Spotify(スポティファイ)』をインストールします。
『個人で月額980円』
『学生1人で月額480円』
『カップル2人で月額1280円』
『家族(最大6人まで)で月額1480円』
などお得なプランも沢山あるのでぜひ有料版をご利用ください。5000万曲以上の楽曲を月額定額制で聴くことができます。
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①
曲を再生したら画面下に今流している曲が表示されるのでタップします。
②
再生中の曲の画面になったら、チラッと見えている”歌詞” を表示させたいので一度画面を下から上にシュッとスワイプさせてください。(この時点で下に歌詞が用意されていない場合シンガロング機能は非対応です。
③
歌詞が表示されたら左下のマイクのアイコンをタップしてください。(歌詞表示対応でもシンガロング非対応の場合があります。マイクのアイコンがない場合はシンガロング非対応です。
④
画面の色が変わると同時にボーカルが小さくなればしっかり機能が使えています。
現在はスマホアプリのみ対応
2020年9月現在、対応しているのはiOSとAndoroidのみで、PCからのwebブラウザ版やPCアプリ版には対応していません。
iOSやAndoroidなのにシンガロング機能が確認できない場合は一度、今使っているSpotifyのバージョンが最新かどうか確認してみてください。
Spotify『シンガロング機能』を使ったカラオケ練習法
それではシンガロング機能を使ったカラオケ練習法の紹介です。
シンガロング機能の特徴的な部分として、ボーカルの音量を小さくしていることが挙げられます。つまりその他の楽器はそのまま本家の音源が流れているわけです。
しかしシンガロング機能はボーカルだけを小さくします。つまり流れている楽器はアーティストが “曲” として完成させた音と同じです。
好きなアーティストと同じ世界に包まれて歌えるってワクワクしませんか? まずはシンガロング機能を使ってアーティストがステージの上で感じている世界観に浸ってみてください。
気軽に歌詞を見ながらガイドボーカル扱い
さて、まずは好きなアーティストに敬意を評しながら世界に浸ることをお勧めしたのですが、実際にこの機能を使ってカラオケが上手くなりたい!という人には、そのアーティストを『ガイドボーカル扱い』することをお勧めします。
特に新しく流行りの曲を覚えたい、練習したいという人は次のようなステップで練習してみてください。
①覚えたい歌を見つけ、歌詞を見ながら一緒に歌う
②覚えたらシンガロング機能をオンにし、画面の歌詞を見ながら一人で歌う。不安なところはガイドボーカル(本家の歌)をしっかり聞いて確認する
③シンガロングをオンにしたまま画面も見ないで歌う
今までは新しい曲を覚えたいといった場合、本家の曲を聴いて一緒に歌うことはできてもボーカル音量の調整ができなかったので急にカラオケバージョンになると歌えなくなる人が結構いました。『メロディを覚えているわけではなく、聞こえてくるボーカルについていっている人』に多い症状です。
シンガロング機能を使えば、”一緒に歌う”、”カラオケで一人で歌う” の間に『うっすら聞こえるボーカル』という段階が差し込まれるのです。本気で歌うと音量によっはボーカルは聴こえません。
これにより、
小さい声で歌ってガイドボーカルを聴きながら覚える練習
しっかり一人で歌う練習
を行ったり来たりできるようになったのです。
しかも一人で歌うときの音源は本家と同じ楽器たちです。アーティストになったような気持ちで歌うことができます。
また、ボタンひとつで通常音量のボーカルに戻すこともできるのでカラオケ音源と行ったり来たりする必要もなくなりました。これもとても大きなメリットです。
Spotify『シンガロング機能』を使ったボイトレ
それでは最後に、シンガロング機能を使ったボイトレをご紹介します。このポイントを意識しながらライブやレコーディングに参加すると、一段階成長した歌になるでしょう。
・オケの楽器を把握する
・オケのメロディを口ずさんでみる
・歌いながらそれらを聞き逃さない
楽曲のオケをしっかり聴こう
当たり前だけど絶対に忘れてはいけないこと、それは『沢山の楽器とボーカルが合わさることで一つの世界を表現している』ということです。
カラオケで好き勝手に歌う癖がついている人は後ろの楽器を気にしません。自分の歌のテンポが走っていることにも気づかず、人によっては音を外していることすら気づかない人もいます。
まずはドラムやギター、ベース、その他無数の楽器が様々なメロディを奏でることでボーカルと同じようにその曲の世界を作り上げているということを意識してください。特にベースとドラムは曲の屋台骨です。この二つの雰囲気が違えば曲の空気は簡単に変わってしまいます。
楽器を選んで口ずさんでみよう
楽器が曲の世界観に影響していることを意識したら、具体的にひとつ選んで口ずさんでみましょう。シンガロング機能によってボーカルが小さくなっている分、その他の楽器の音がききやすくなっているのを上手く活用してください。
AメロならAメロ、サビならサビだけで構いません。まずは自分が歌っているとき他の楽器が具体的にどんなメロディやリズムで演奏されているのかを感じます。ベースやドラム、その他楽器のメロディを口ずさむことで曲のリズム感やグルーヴ感に関する引き出しが増えていきます。
曲に合わせながら聞こえてくるドラムを口ずさむ
『ドンツツ、タッツツ、ツツドン、タッツツ』
もちろん『』内のリズムは一例です。実際に聞こえてくるドラムを口ずさんでみましょう。ベースの場合音が1〜2オクターブ高くてもいいので、聞こえてくるメロディを口ずさみます。
口ずさんだリズムやメロディを聴きながら歌う
最低でも1つ、できれば複数の楽器のメロディやリズムを把握してください。その上で実際に歌ってみます。
歌っている間、自分一人の世界に入り込みすぎないよう注意しましょう。自分が口ずさんだ他のパートを意識しながら一緒に歌います。
冷静に観察する力やグルーヴを感じる力、メロディを聴く力が向上すれば今までどれだけ好き勝手なんとなくで歌っていたか感じられるでしょう。
また、この力は歌唱力だけでなく普段の発声練習などの効率アップにもつながります。
イメージとしてはボーカル以外のパートを自分の仲間が演奏していると想像してみてください。そんな仲間たちと一緒に一つの曲を作り上げる感覚をもてばそれだけでボーカルの走りすぎなどは改善されます。
リズムやメロディは感じられているのに遅れてしまう、音程が合わないというのは基礎発声力の問題かもしれません。並行してそれらの改善も意識してみてください。
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Spotifyシンガロングを楽しもう
今回はSpotify(スポティファイ )アプリで搭載された『シンガロング』機能とその使い方についてお話ししました。
今まではシングルCDを買ってインストバージョンを聴いたり、自分で真ん中の音のみ削ったりしないとシンガロング機能と同じような音を耳にすることはできませんでした。誰でも簡単に再生中のボーカルの音だけ小さくできるというのはかなり画期的なサービスだと思います。
新しい技術とうまいこと向き合いながら、あなただけの楽しい音楽ライフを過ごしてください!
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