話し方に言葉選びが大切なのはわかるけど何をどう選んだらいいかわからない。言われてみればわかるけど自分ではどう意識したらいいかわからない。そんな人に読んでほしいお話です。分かりやすくいくつかの視点から言葉を意識する例を挙げましたので、それをもとに同じ状況を違う言葉で説明してみようとしてみてください。
こんにちは、ボイストレーナーの入来院真嗣です。
言葉選びって難しいですよね。
言えばいーのに
猫は自由だよね。
TPOに合わせた言葉遣い、相手の理解度やレベルに合わせた言葉選び、なんて言われてもすぐに言い換えるには日頃から文字や言葉に触れ引き出しをいっぱいにしておく必要があります。
今回はそういう言葉の硬さや柔らかさ、難しさや簡単さではなく、どういった視点から言葉を選んでいるかによって受け入れやすさが変わるというお話をします。
具体的にはVAKと言われる優位感覚のお話です。
同じ状況を説明する時、視覚優位、聴覚優位、身体感覚優位といった言葉選びを意識します。早速みていきましょう。
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VAKを意識して中学校の思い出を語ってみよう
さて、タイマーを用意してください。
これからそれぞれの話し方を意識した上で1分ほどフリートークしてもらいます。
起承転結のお話じゃなくても大丈夫です。運動会が楽しかった、部活でこんなことがあったなど短い文をたくさん羅列して構いません。
早速やってみましょう。
・視覚(Visual)
視覚優位の言葉選びを意識してみましょう。
明るい運動場、大きな体育館などドラマや映画のカット割りのように状況を視覚的に説明してみます。
その他感覚を使ってはいけないというわけではありません。
(例):青空が広がる空の下、運動場に全校生徒が集まって運動会をしたのが印象に残っています。リレーを走っている時、私は白のバトンを持って走りました。
・聴覚(auditory
聴覚優位の言葉選びを意識してみましょう。
応援の声が飛び交い、リレーで順位が入れ替わるたびにみんなが一喜一憂しているなど状況を聴覚的な表現多めに説明してみます。また、理論や定義、擬音語や感嘆詞といった言葉選びも聴覚優位の人の特徴とされています。
割合の問題なので視覚を使ってはいけないというわけではありません。
(例):サンサンと太陽が降り注ぐ中、ワイワイしながら運動会をしたのが印象に残っています。リレーを走っている時、クラスメイトが声を張り上げて応援してくれました。
・身体感覚(Kinesthetic
その他の感覚優位の言葉選びを意識してみましょう。触覚や嗅覚、味覚といった表現はこちらに分類されます。
気持ちの良い風が顔に当たる、汗で体操服が張り付いて気持ち悪いなど自分の感覚を頼りにした言葉選びをするのが特徴とされています。
割合の問題なので視覚や聴覚を使ってはいけないというわけではありません。
(例):太陽の下、汗をかきながら運動会をしたのが印象に残っています。一生懸命リレーを走っている時、クラスメイトに応援してもらえて心が熱くなりました。
・散りばめるほど不特定多数に受ける
挑戦してもらえるとわかると思うのですが、特定の感覚を中心に話そうとするととても難しく感じると思います。
これはあくまで優位性、どれかの感覚を多めに使ったり少なめに使ったりしているというだけで何か縛りをつけて話しているわけではないからです。
このバランスは人によって異なります。
なので、複数の人の前で話す時にはそれぞれの感覚を使った言葉を散りばめた方が結果として記憶に残りやすいのです。
逆に一対一で会話をする時は、相手に合わせられると効果的です。
ただしやりすぎは禁物。
聴覚優位の人だなと感じたからといって聴覚優位な言葉ばかり使っていると極端すぎたり、言葉遣いにばかり気を取られ伝える気持ちがなくなったりしてしまい結果として相手の集中力を削いでしまう結果にもなりかねません。
特定の言葉を使う時、これはこの感覚優位の言葉なんだなと知るくらいで十分です。
そして一番伝えたい時、少しだけ相手に寄り添った言葉選びを意識してみましょう。
言葉を選ぶうちに物事を多角的に見る習慣が身につく
今回の意識は極めると催眠であったりメンタリストであったりという人たちのような “テクニック” として昇華されます。
しかし、中途半端に多用したり技術で人を操ろうとするとかえって胡散臭さが増すのも事実です。
この練習はあくまで “同じ状況を多角的に見る練習” だと思ってください。
同じ状況でも受け取り方が人によって異なる、その結果表現方法に違いが出る。これを繰り返し意識することで怒りやすい人が冷静に状況を処理できるようになったり、他の人の発言の真意を理解しやすくなったりすることが可能となります。
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他の人はどういう言葉選びをしているだろう
自分が話す時以外は、耳を傾け、他の人の言葉選びに注目してみてください。
自分では難しい話し方や言葉選びも、感覚の違いで簡単に説明できる場合が多々出てきます。
ただし、人に向かって「あなたは何々優位の人だね」などと語ったりするのは絶対にやめましょう。誰だって観察されて良い気はしませんし、優位性はあくまで状況や体調、心理状態にも左右されます。
それでもこの意識を勉強したい人はNLPの勉強会に参加してみたり、関連書籍を独学するにとどめましょう。
あなたの話し方テクニックが向上しますように!