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腹式呼吸の3つの誤解

たいていのレッスンでは始めに腹式呼吸を習います。ところが、腹式呼吸を意識するあまり身体に余計な緊張が入っている人はとても多いです。あなたは大丈夫ですか?

腹式呼吸以外は悪、ではない


 
そもそも肺は自ら広がったり縮んだりすることはできません。詳細は省きますが、”空気は高い気圧から低い気圧に向かって流れる” というルールの下で肋間筋や横隔膜の操作が加わり呼吸となります。

 

この時大まかに分けて、肋骨の間の筋肉を伸び縮みさせ胸を大きく広げる作業中心の呼吸を胸式呼吸、横隔膜を上下させる作業中心で空気を取り入れることを腹式呼吸と呼びます。そして腹式呼吸のほうが喉周りや胸回りに緊張が少なく、支えとなる筋肉でより繊細に呼吸を調整できるため歌唱の際は向いているとされています。

 

が、

 

そもそも正常な人間であれば通常多かれ少なかれどちらの筋肉の作用も混在しています。機械のように1と0に分けることはできません。自然な呼吸をしているときは腹式呼吸も胸式呼吸も同時に行なっているのです。

 

1点目の誤解はここにあります。
胸式呼吸の仕組み全てが悪ではありません。腹式呼吸の時のお腹周りの支えは大切ですが、腹式を徹底して胸式を排除するという考え方はお勧めしません。お腹を動かす、胸は動かさない、なんて考えていると身体は余計な緊張で思ったように身体が動かなくなります

 

研究者によってはこの、一部だけが突出して働くことを “不完全で有害である” とすら言っています。難しいことを考える必要はありませんが、腹式呼吸以外は悪と決めつけ身体のどこかを固め過ぎないよう注意しましょう。

 

腹式呼吸はお腹を前に出すことでなはい


 
次に2点目。腹式呼吸に関して多くの人が誤解していることがあります。
それは「お腹を前方に膨らませる」ということです。

 

これは半分正解で半分間違いです。

 

腹式呼吸と言われる呼吸は吸気時、横隔膜が収縮します。イメージでいうと横隔膜が下にさがるのです。この時腹筋がしっかりと緩んでいると、横隔膜の収縮により内臓が、緩んだ腹筋に押し付けられるように動きます。

 

つまり結果としてお腹が前にでているのです

 

お腹を膨らますことが先ではありません。
残念なことに呼吸と無関係に腹筋を操作し、それっぽくお腹を膨らませてみせることは可能です。そして多くの人がこの状態に陥っているのです。

 

腹式呼吸という言葉のイメージから結果だけを追い求め、お腹のふくらみを意識しがちですが、大切なのは横隔膜の動きです。この操作を疎かにしてお腹の膨らみばかりに気を配っていると余計な緊張を生みかねません。繰り返しますが余計な緊張は自由な呼吸の妨げです。

 

吸いすぎ注意


 
そして最後に3点目です。
腹式呼吸にあまり問題を感じていない人でも吸いすぎには注意しましょう。実はこれも本人の意識の外で余計な緊張を生み出す原因となっているのです。

息の流れは基本的に気圧の高低による流れです。
私たちはそれを様々な筋操作で意図的に調整しています。


試しにほんの少しだけ息を吸い、我慢してみましょう。
そして次に思いっきり息を吸い込み、我慢してみましょう。


どうですか?
たくさん吸ったときのほうが息が吐き出されないように身体が頑張っていると思います。これはわずかな操作でも肺の中の圧が高まり息がでようとしてしまうからです。

 

目的もなく吸いすぎると常にその分、それを維持するために余計に筋肉が働きます。可能な限り必要な息だけを吸い込み、うまく使い切りましょう。一見難しそうに感じますが習うより慣れろ、挑戦しているうちに自然にできるようになります。

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