自己PRのコツを知りたい。
何に気をつければいいの?
そんな悩みにお答えします。
こんにちは、ボイストレーナーの入来院真嗣(@contro_re)です。
普段はプロや歌の専門学校生と日々レッスンをしています。講師業の前は芸能事務所で声優・俳優・音楽活動をしてきました。
『今回のテーマ』
・自己PRのたった一つのポイント
・自己PRの ”やらない方がいい” 話
・細かい自己PRの内容のポイント
今回は自己PRについてお話します。
自己PRはポイントを抑えるだけで見違えるように良くなります。
1日に何人も見なければいけないオーディションで気をつけるべきポイントを押さえて、少しでも後悔しないオーディションにしましょう。
ぜひ最後までお付き合いください。
自己PRは『自分』を ”売り込む” 時間
たった一つ絶対に忘れてはいけないのは、『自己PRは自分発信で自分を売り込む大切な時間』だということです。
歌手でも
モデルでも
役者でも
肩書きがなんであろうと言い換えればあなた自身が『商品』、そしてそんな商品を自分の言葉で売り込む時間が『自己PR』です。
この意識さえあれば自分で台本を用意しても冷静により良い文章を練っていくことができます。
こんにちは、ボイストレーナーの入来院真嗣です。先日うちの猫がこんなツイートをしました(先生はたまに、私(僕)プロになれますか?って質問されるらしいんだけど、これって変だよね?なれませんっていったら諦めつくのかな?なれますって言ったら[…]
制限時間があります
しかし売り込む時間は平等で限られています。
大体30秒、長くて1分です。
30秒で商品をアピールしなければいけないのだから、当然やった方がいいこととやらない方がいいことがありますね?
以下、その辺を簡単に解説します。
言われてみれば当たり前ですが、当たり前だからこそ、自分が考えたこともなかった部分はしっかりと刻みこんでみてください。
マイナスアピールをしない
とても素敵な心がけだと思います。
しかし、時間が限られている時はオススメしません。
繰り返しますが時間は有限です。
30秒しか話せないなら、当然話す内容には優先順位が存在します。
限られた短い時間であればあるほど、まずは自分が一番売り込みたい『アピールしたい』部分を主張する必要があります。
マイナス面だけ話してアピールしたい部分が弱いとただ悪い評価をしただけになってしまいます。そんなものを欲しくなる人はいません。
例5つ
下に具体的な例を5つ挙げてみました。
関係ない話をしない
誰にでも当てはまる話をしない
聞きかじった面白いエピソードをパクらない
無駄にハードルを上げない
関係ない話をしない
今までにこういうPRをしてこなかったでしょうか?
ぜひチェックしてみてください。
関係ない話をしない
関係ない話とは、自分以外の人やモノをアピールする話です。
気持ちはわかります。
しかし審査員はそう考えてくれません。
『その友達はオーディション参加してないの?』
もっと冷たいと「(じゃあその友達連れてこいよ)」と思われてしまってあなたに興味が湧かないまま終わってしまいます。
自己PRは『あなた自身を商品としてアピールする時間』です。
意図は悪くないですが他をアピールする量が多くならないように気をつけましょう。
誰にでも当てはまる話をしない
当然誰にでも当てはまるアピールも意味がありません。
特に意味のないキーワードがこちらです。
そういうことね
流れで話しているので気付いた方も多いと思います。
そうです。
みんなそうなんです。
オーディションに参加した以上やる気はあるに決まっています。
欲しいのは気持ちの強い人ではなく、それは大前提として魅力的で技術のある人や数字を引っ張ってこれる人です。
繰り返しますが自己PRは『あなた』を、『あなたという商品の売りになる部分、他と違う部分』をアピールする場面です。誰にでも当てはまることを話している時間はありません。
聞きかじった面白いエピソードをパクらない
当たり前のはずなんですがたまにいます。
ネットで、もしくはテレビで誰かが使っていた面白いエピソードを自分の体験のように話す人。
バレなければ良いですが、バレた瞬間にあなたの評価が地に落ちます。
エピソード自体がバレなさそうで完璧でも、興味をうまく引けた結果質問にあい、それにうまく答えられなかったりしたら同じく評価が下がります。わざわざ危険を犯して人のエピソードをアレンジする必要はありません。あなただけのあなたの話をしましょう。
無駄にハードルを上げない
これは諸刃の剣です。
アピールは悪いことではありません。
確かな実力を示せれば大丈夫です。
しかし、一般人の仲間内での『上手い』とプロが求める『上手い』が同じである保証はありません。やるなとは言いませんが、自分からハードルをあげる必要はありません。
ハードルを超えた時にはよりあなたの印象を決定づける素晴らしいものになりますが、注意が必要です。
テクニック自慢もハードルが上がる
同様に部分的なテックニック自慢もやめましょう。
声優志望の『外郎売が得意です』
歌手志望の『ミックスボイスが出せます』
こういうのは “誰にでも当てはまる話” にもつながってきます。ある程度できることは大前提ですし、それができた上であなたの表現や活動にどう生かされているか、どういう結果を残してきたかの方が大切です。
できたところで特別すごいとも思われないですし、そんな部分ですごいと思われたければ圧倒的なレベルを見せつけないといけません。
余程自信がない限りやめましょう。
大抵はハードルだけが上がって失敗します。
自己PRの具体的な細かいコツ
絶対に忘れてはいけない意識と具体的にやってはいけないポイントについてお話ししました。
次に意識した方がいい細かいポイントについて説明します。
①主張と根拠がワンセット
②他の人との違いを明確に説明する
③経験のエピソードは具体的に
④主体性がある話か再確認する
よく何を言っているかわからないと言われる。もっと伝わる話し方をしたい。原因や解決方法がわからない。そんな人に呼んでほしいお話です。こんにちは、ボイストレーナーの入来院真嗣(@contro_re)です。ボイストレーナーとして歌や話し[…]
①主張と根拠がワンセット
オススメしません。
根拠や具体的なエピソードは必須です。そこにあなたの人柄が現れ、聞いている人に印象強く残ることになります。
「私はこういう考えています」
だけでは厳しい言い方をするなら「だから何?」で終わってしまいます。
どういうエピソードでその考えに至ったかなどをしっかり話すことで、あなたの考え方が見え、そういう人と一緒に仕事をしたらどうなるだろうと想像を働かせることができるようになります。
また、しっかり根拠を示すことで「自分の考えを持っている人」という印象づけることも可能になります。根拠が弱いとどうしても聞きかじった話をしているだけであったりふわふわとした軽い印象になりがちです。
必ずワンセットにして話しましょう。
②他の人との違いを明確にする
ありふれた言葉のものほど明確に説明する必要があります。
明るい性格
努力家
負けず嫌い
誰にでも当てはまる言葉ほど審査員は聞き飽きています。
明確であればあるほど、そしてそのエピソードに個性があればあるほどあなたの印象は強くなっていきます。
③経験のエピソードは具体的に
「小さい頃からピアノを頑張ってきました」
こんなエピソードを聞いたらあなたはどう感じますか?
日常で相手が一人ならそうなんだと何も気にせず納得するかもしれません。
仕事を任せる、つまりお金が動く中で選んだあなたにもある程度責任が付いて回る中で、たくさんの人があなたに「ピアノを頑張ってきた」アピールをしてきたらどうでしょう?
またか。
と思ってしまう確率はとても高いでしょう。
同じようなエピソードをしてもいいですが、必ずそこに具体的なエピソードを追加しましょう。見出しだけ話したとして、よっぽど引きのある見出しではない限り食いついてはもらえません。
具体的に何年間ピアノを続けてきたのか。その年月でどういうことができるようになったのか、どういう結果を残してきたのかがとても大切です。
このエピソードの部分にあなたの凄さや性格が見えてきます。主張と根拠を意識して印象に残るエピソードを考えましょう。
④主体性がある話か再確認する
ピアノを例にあげたのでそのままピアノで説明します。
ピアノをやっていたのはあなたが興味関心があって自主的にやっていたのでしょうか?
ただやらされていて、嫌々ながら続けていたものを『10年ピアノをやっていました』といっても魅力には感じません。
自分から進んでピアノをやっていた話などができると、あなたの自主性や努力かな部分などが見えてきます。
自己PRの具体的な例文と改善例
以上自己PRで意識することを様々な角度でお話ししました。自分の用意した台本と照らし合わせて考えてみてください。
その上で、最後にいくつか悪い例文と改善例を挙げておきます。
オーディションは人数比的に落ちることが普通で、例文通りにしたからといって必ず受かるわけではありません。それでも、マイナスアピールにならないよう最低限気をつけることは必要です。
生徒会長をやっているというイメージから「しっかり者」という印象はあるかもしれませんが、主体性は感じられません。
また、長い期間ピアノをやっていたことは伝わりますがどれくらい大好きか具体的な話がされていないです。そして具体的なエピソードがないまま他に興味があることについても羅列して述べられているので、個人の感想にもよりますがどこか勢いだけの印象が否めないですね。
最後に『やる気だけは誰にも負けない』『頑張る』これは当たり前です。誰だって当てはまることをいう意味はありません。
結果として印象に残りづらいです。
もちろん自己PRに絶対の正解や絶対の不正解はありません。『等身大の10代の感じや初々しさ』をアピールするのが目的なら、下手にいい感じに練られた台本を喋るよりも余程こちらの方がいいでしょう。
自分が商品だとして、どういう人にどういう部分をアピールしたいかしっかり考えることが大切です。
お金の話を出したりと少し極端な例だとは思いますが、このように具体的に頑張ったエピソードや結果を出したエピソードがあれば自慢にならないよう積極的に使っていきましょう。
なければ当然、生徒会長をやっているエピソードで構いません。
ただし、そのエピソードからあなたの性格や考え方、人間的な面白さが見えるような言葉選びをする必要があります。
具体的な数字や成果を出している人が主体的に行動をしながらいう『頑張ります』と、自分で頑張ったことがなく他人頼みの人がいう『頑張ります』では印象が変わってきます。同じ言葉でも前後の文脈が大切なのです。
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それでもオーディションは落ちるもの
最後にもう一つだけ覚えておいた方がいいこと。
それは、オーディションとは落ちる方が普通だということです。
特別なオーディションに一発で受かる特別な人というのは確かに存在します。しかし、それ以外のほとんどのプロは落ちたり受かったりを繰り返して少しずつ自分の経験値を高めていっています。
どんなに素晴らしい自己PRをしてもルックス一発で別の人が選ばれる場合もあります。
どんなに素晴らしい自己PRをしても実技一発で別の人が選ばれる場合もあります。
自己PRはあくまでその人の経歴や人となりを知るためのおまけの部分です。そこで受かりにいくのではなく、そこで損をしないことが大切です。
受かりたい気持ちは大切ですが、まずは余計な損をしていないかしっかりチェックしてみましょう。
自分の好きなことを仕事にしたい人就職や進路に悩んでいる人好きなだけで続けていいのか不安な人そんな人に読んで欲しいお話です。 こんにちは、ボイストレーナーの入来院真嗣(@contro_re)です。現在は事務所や会社に所属せず、様々な[…]