どうにかして考え方を変えたい。
自分の性格で悩んでいる人や人間関係で悩んでいる人。
そんな人に読んで欲しいお話です。
こんにちは、ボイストレーナーの入来院真嗣(@contro_re)です。
普段はプロアマ問わず専業ボイストレーナーとしてレッスンしています。
講師業を始める前は芸能事務所で声優のお仕事としてプロとして言葉を扱ってきました。
『今回のテーマ』
・言葉を言い換えると受け止め方が変わる
・無理にポジティブにする必要はない
・実際に言い換えの練習してみよう
今回は言葉の言い換えでどんなメリットがあるかというお話です。
言葉を言い換えることができると受け止め方が変わり、受け止め方が変わると物の見方そのものが変わります。結果としてあなたの性格や雰囲気、評価にも影響してくるのです。
性格を変えたい人
人間関係で悩んでいる人
そんな自分を変えたい・変えられると信じている人
同じものを見たり同じことが起きたときにどういう言葉でそれを受け止めるかはとても大切です。
性格や人間関係でその後の人生は大きく変わっていきます。まずは実際にあったエピソードをお話しするので、あなたはどう感じるだろうかぜひお付き合いください。
言葉を言い換えることで起こる変化
大学生の頃、飲食店でアルバイトをしていました。
どこにでもある時給3桁のファミレスです。
そこにおじさんクレーマーがやってきます。
僕の感想とバイト仲間の感想
嵐のような時間が過ぎ去ったのち、疲れ果てたバイト仲間で当然グチ大会です。
先ほどのようなクレームが入るお客さんに対して、あなたがバイトしている立場だったらどう感じますか?
自動ドアが開いて来店を告げた瞬間に先ほどのクレーム。
そこから一時間くらい、注文前、注文後、食事中、食事後、退店時と似たようなクレームのオンパレードです。
僕(当時)の感想
なんだよあのオヤジ!
ブチ切れ過ぎだろ!
自分の思い通りにいかないと気が済まないのかよ!
いい歳してファミレスに何求めてんだ!
直接無茶苦茶なクレームで怒鳴られたこともあり結構イライラしたのを覚えています。
周りのバイト仲間も似たような感じでずっと不満を言い合ってストレスを発散していました。
そんなときです。
一人のバイト仲間が次のように相槌を打ちました。
バイト仲間Aくんの感想
そうだねーちょっと怒ってたねー
すごく可愛がられて大切に育てられたんだろーねー
甘えたがりだよねー
仲間内の間では「めっちゃ毒舌じゃん!(笑)」なんて言われていたバイト仲間ですが、一緒に笑いつつ、僕はその後何度もその言葉を思い出していました。
印象が変われば感じ方も変わる
何度も思い出しているとき、実際に中年クレーマーを思い出しながらバイト仲間の台詞を呟いてみたりもしました。
“ちょっと” 怒ってたね。
甘えたがりだよね。
気がつくとおじさんを思い出してもそんなに腹が立たなくなっていました。
相手の行動が何か変わったわけじゃありません。
2回目の来店時に「あの日は酔っていてすまなかった」と頭を下げたわけでもありません。
変わったのは受け止め方
自分が相手の行動を “どう受け取ったか” という部分が、言葉の言い換えによって変えられたのです。
ただの言葉遊びでは?
その考え方も正解です。ただ、
言葉遊びではだめでしょうか?
言い換えたことでストレスが減り、
相手への接し方が変わり、
結果的に状況が変わりました。
全員というわけにはいきませんが、心なしか他のバイト仲間も余裕が生まれていたようにも感じました。
初めて遭遇した時は正直すごくイライラしていました。
時給以上の理不尽なサービスを求めるな。最悪本社にクレーム入れられようがバイトなんだし無理なものは無理と言おう。このおじさんのせいで客が減ったらシフトも削られるかも知れない。
そんなことを考えていたので僕が急に優しさを身につけたわけでもありません。
変わったのはただ一つ、
『事件』と『感想(感情)』の間。事件を捉える “言葉選び” です。
言葉を言い換えるとき、無理にポジティブになる必要はない
以上、ざっと言葉の言い換えについてのエピソードをお話ししました。
少なくとも『そういう見方の人いるよね』と思ってもらえたら幸いです。
これはそんな性格だからこういった言葉選びをしているだけではありません。こういった言葉選びをしているから、そういう見方ができる性格の人物になったと言えます。
有名なお話『コップの水』
コップに半分ほど水が入っています。
あなたはこれを見てどう感じますか?
これは有名な例え話です。
半分も入っていると捉えるか半分しかないと捉えるか。
コップに入った水を見てどのように捉える人がいるか。また、捉え方によっ考え方が変わることを説いています。
しかし、無理にポジティブに捉えようとする必要はありません。
内向的な人が無理やりにポジティブに過ごしているうちに、実際感じている自分とのギャップが辛くなりかえって心が疲れてしまうというケースが報告されています。
大切なのポジティブになることではありません。違う捉え方を可能にすることです。
経営やマネジメントの大家、ドラッカーの名言で以下のようなものがあります
コップに『半分入っている』と『半分空である』とは量的には同じである。だが意味はまったく違う。とるべき行動も違う。世の中の認識が『半分入っている』から『半分空である』に変わるとき、イノベーションの機会が生まれる
おじさんが声を荒げてて怒っている現状は変わりません。それを、
『理不尽なクレームを喚き散らしている』
『いい歳の大人が甘えたがっている』
といったように、人によって全く違う言葉で表現していルのです。
一度クレーマーが理不尽に怒っている情景を思い出して、『』の言葉を声に出して読んでみてください。あなたの中で受け止め方が変わってくるのを感じられると思います。
自分の受け止められる範囲で言葉を選ぶ
コップの水に関しても、同じです。
水だけに注目する必要はありません。半分しかないという言葉を使ってもそれ以外の補足で印象は変わります。
例:
「いつもより勉強頑張ったから気づいたらもう半分しかない」
もしくは何も気持ちを動かしたくない言葉の選び方もあります。着目しているところをずらす意図です。
例:
「コップ半分飲んじゃうくらい時間が経ったのか」
言葉選びに正解なんてありません。
どう捉えても自由で、その捉え方でその人の性格、振る舞いが決まるのです。
実際に言い換えてみよう
それでは、実際に言い換えてみましょう。
大切なのは『遊び感覚』です。
気楽な感じで新しい引き出しを作れないか楽しんでください。
最近あった嫌なこと
テーマは最近あった嫌なことにしてみましょう。
できれば冷静に『この部分はこう言い換えすることができるな』というのを把握するためにも紙に書き出してみてください。
①あなたが感じた嫌な出来事を、まずは感じたままに書き出します
②事実と感想をを区別しましょう
③感想の部分はいくらでも変換可能です。言葉を変えて、どんな気持ちになるか試してみてください。
注意点
不満は “小さく” する
あなたが感じた不満をなかったことにする必要はありません。
無理やり感情をねじ曲げようとするとどこかで無理がたたります。どういう言葉選びをすれば面白くなるか、また、不満が小さくなるかを考えてみてください。
捉え方は人による
言葉選びを変えてみて、あなたが納得できないなと思ったらそれを受け入れる必要はありません。その言葉選びは今のあなたに合わなないのです。無理やりポジティブにしないのと同じで、自分に合う言葉を探してください。
性格を変えたい気持ちが強い人は、変わった後の性格、理想の自分ならなんと言うだろうという視点を持つのも大切です。
まとめ
今回は考え方を変えたい、変えたいけど難しい、と感じている人たちのアプローチ方法の一つとして『言葉選びを意識する』というお話をしました。
あなたの当たり前を変えましょう。
変わりたければ、変わっていいんです。
実際にある悩み相談として職場や学校の周りの人に『最近なんか変わった?』みたいに軽い気持ちで尋ねられたことがきっかけで、『頑張ってるけどやっぱり変なんだ』『どこか無理してみえたんだ』なんて一人で不安になって変化をやめてしまうケースがあります。
相手は「最近なんか変わった?」と聞いただけです。
良いとも悪いとも言っていません。不安にしているのはあなたの受け止め方です。
まずは紙に書き出したりして言葉選びを意識してみましょう。少しずつでも、確実に良い変化が訪れますように!
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