もっとハキハキ喋れるようになりたい
もっとハキハキ歌えるようになりたい
そんな人に読んでほしいお話です。
こんにちは、ボイストレーナーの入来院真嗣で(@contro_re)です。
事務所に所属するプロや専門学校などで歌や話し方、声優のレッスンをしています。
講師業をする前は事務所で声優や俳優、音楽活動などを経験してきました。
『今回のテーマ』
・声がこもる原因
・声のこもりの改善方法
・録音して変化を感じよう
今回は声がこもる原因についてお話します。
声がこもるのは仕方ない、なんてことはありません。ほとんどの方は発声が原因です。訓練することで改善します。
そんな僕が様々な先生に教わり、少しずつ改善していったことで今ではその経験をもとに誰かに教える仕事をしています。
原因を知識として仕入れた後は、積極的に行動してみてください。変化に挑戦できると必ず少しずつ改善していきます。
それでは、最後までお付き合いください。
話すときや歌うときに声がこもる大きな原因
まずは原因です。
一言で言えば『筋肉の余計な緊張』に尽きるのですが、大きく4つに分類しました。
声がこもる4つの原因
①姿勢が悪い
②喉や舌周りに余計な緊張がある
③表情筋の動きが少ない
④精神面で遠慮や不安がある
それでは一つずつ見ていきましょう。
①姿勢が悪い
えーーっと、ダメです。
効率的な発声が習慣として身についている人であれば、ある程度どんな姿勢であってもそれをキープすることができます。しかし、現状悪い習慣が身についてしまっている人が効率の良いバランスを覚えようとするにはまず余計な要因は作らないことが大切です。
悪い姿勢や余計な緊張は発声にすごく影響します。
試しに「あーー」と声を出しながら首だけ前に突き出せるだけ突き出してみてください。
試しに「あーー」と声を出しながら身体中ガチガチに力を入れてみてください。
慢性的に強めの緊張がある人は変化を感じづらいですが、少なくとも動かしたり力を入れた後の方が声が出しやすくなったという人はいないはずです。
②喉や舌周りに余計な力が入っている
余計な緊張は声のこもりにも影響します。
指2本分口を縦に開けつつ、顎を動かさずに「エアエアエア」と自由に舌を前後させることができますか?
指2本分口を縦に開けつつ、顎を動かさずに「カラカラカラ」と自由に舌を上下させることができますか?
詳しくはこちらの記事を参照ください
ボイトレをしていて、下顎や舌が力んでいるのは感じられるんだけど力の抜き方がわからない。力を抜いて発声練習をするにはどんな方法があるだろう。そんな人に向けてのお話しです。これを実践できるようになれば遠回りのようで確実に舌の脱力、顎の脱力が身に[…]
同じく、[ s ] [ t ] [ r ] [ n ] などの舌の前が動く系だと、舌に力が入っていると上顎まで届かないので顎が働くことでサポートしがちです。
それより開きが狭いと既に顎のサポートが働いている状態なので緊張とサポートを自覚するのが難しくなってしまいます。
③表情筋の動きが少ない
歌手でも喋りのプロでも、口の動きが小さい人は確かにいます。
しかし、その人たちはその分口の中はしっかりリラックスし共鳴する状態になっていて、舌がしっかり動くので音を作れているのです。
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よく誤解されがちなんですが、声帯で言葉が作られるわけではありません。
声帯が振動して生まれた音が、声帯より上の空間、喉や口の形によって聞こえ方が変わるだけです。
試しに「あーー」といいながら口を適当に動かしてみてください。音が変化するのを感じられると思います。その動かし方が日本語の「あいうえお」に適した変化なら日本語に聞こえるだけなのです。正しい「あいうえお」の形は上のリンク先よりご確認ください
④精神面で遠慮や不安がある
最後4つ目はメンタルの部分です。
緊張してうまく話せなかったり、緊張して力んじゃって思い通りにいかなかったことは誰しもあると思います。
緊張は発声にすごく影響します。発声は筋肉のバランスの結果だからです。
目立ちたくない、失敗したくない、怒られたくないなどの気持ちが強いと緊張が増え、結果的にこもる声になる可能性があります。
歌声や話し声のこもり改善方法
それではそれぞれの改善ポイントの説明です。
いきなり全部を改善しようと同時に意識すると大変かもしれません。一つずつ、少しずつ、確実に変わっていきましょう。
声は身体の使い方の結果です。同じ使い方をしていると同じ結果しか得られません。焦らず取り組んでみてください。
姿勢の改善
猫背にならず
胸や背中が広く肺が膨らむスペースが十分にあり
その上で首が真っ直ぐ伸び
頭が乗っている
まずはこのイメージをしっかり持ってください。
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先ほど姿勢の話をしたときに「あーー」と声を出しながら首だけ前に突き出してもらいました。声が出しづらかったと思います。
同じように声を出しながら首の後ろを縮めて真上を向いてみてください。これも声が出しづらくなると思います。
同じように猫背も良くありません。肋骨が狭く肺が広がりにくい状態は呼吸の浅さにもつながります。
舌の緊張の改善
基本は先ほどのリンクを参照してください。
舌の力を抜きましょう、で抜けたら一番良いですが人によっては難しいです。そんな人は、指二本分口を開きつつ、顎を動かさず、エアエアと舌を前後させたりカラカラと舌を上下させたりしてください。
<同じ母音・同じ口>
日本語は子音と母音の組み合わせでできています。
『か』という喉や口の形は存在せず、あくまで [ k ] という子音と [ a ] という母音が素早く動くことで日本語の『か』が生み出されます。
そして、日本語の母音『a』の口の形は一種類です。
アカサタナハマヤラワと横に段を発生したとき、同じ音の高さであれば終わりの口の形と喉のバランスはすべて同じなのです。
声がこもる人、そして発声に余計な緊張が入っている人はこの口の形や喉のバランスが言葉によってバラバラになりがちです。
一つ一つゆっくりチェックしてみてください。
表情筋の使い方改善
表情筋を使い慣れているかどうかのチェックはとても簡単です。
①口をパカッと大きく開けてアから、一番すぼめてオ
②口を横にしっかり開いてイから、一番すぼめてウ
それぞれをフォーエイトでリズムに合わせて動かしてみましょう。
8カウントを4回という意味です。
リズムに合わせて『アオ』を8回、4セット
リズムに合わせて『イウ』を8回、4セット
両方続けて挑戦して、ほっぺた辺りなどが痛くなった場合は普段から使ってなさすぎだと考えてください。
朝起きて朝食後に鏡の前で、夜お風呂に入っているとき。一日二回ずつくらい挑戦していれば十分です。
精神面の改善
また、焦ったり不安になって必死に言葉を探しているとより緊張から力みやすくなってしまいます。
焦っている時ほど考えをまとめ
ゆっくりと
口をはっきり動かして
話してみてください。
日頃から効率の良い身体の使い方を覚えた上で、心が動いたときにそれを邪魔する瞬間に気づけると改善は早いです。
緊張したら身体のどこがどう変化したか自分なりに一つずつ気づいて改善していけると、少しずつ発声もよくなっていきます。
歌声・話し声のこもり具合を録音で確認しよう
以上、声のこもる原因とその改善方法をお話ししました。
これらに加え、表現力として抑揚が少ないとこもっている、モゴモゴしていると捉えられてしまうこともあります。そういう場合は言葉をハッキリ伝える必要があるので以下のリンクをチェックしてみてください。
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発声や表現、
これを必ず『録音して』確認してください。
慣れていない人ほど自分のできているできていないはアテにならないと思いましょう。これは、自分の中のやっている “つもり” が邪魔をしてしまうからです。
焦らず一つずつ取り組んでみてください。
聴く力の上達は改善のスピードアップにもつながります。少しずつ頑張りましょう!