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ボイトレ講師の指摘や練習方法で悩んだら読みたい話

レッスンを受けていて自分のやりたいことを制限されている気がする。自分の個性が潰されている気がする。違うジャンルに寄っていってしまわないか不安だ。そんな人に読んで欲しいお話しです。今おこなっている練習は何のためにやっているのかというところをしっかり意識できるようになると、気持ちよく練習ができるようになるでしょう。

こんにちは、ボイストレーナーの入来院真嗣です。

今回は練習と自分の歌唱スタイルのお話です。

プロが相手のレッスンであれば、自分の商品価値ややりたいことが明確なので話し合っているうちにお互いが納得できる練習方法を選択していけます。

しかしプロの卵、学生や一般人であると『教わっている』という意識からか、こちらから尋ねない限りあまり質問や主張をしてくれません。結果的に一人で悩んで不満を溜めたり、目的の違いから練習効率が落ちてしまう人が多くみられます

 
生徒ねこ
自分の表現は
自分のもの!


そうですね。
ボイストレーナーもあなたのやりたいことを邪魔したくて仕事をしているわけではありません。

何も考えていない生徒をディレクションによってある程度導くこともできますが、本来はあくまであなたがやりたいことを、より自由にのびのびと高いレベルで実現できるにはどういった手助けができるかのお手伝いをする存在だと考えています。

もし、今レッスンを受けていて何か悩みや不満があるのなら、是非この記事を最後まで読んでみてください。

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ボイストレーニングで必要な3つの練習目的


ボイストレーニングを受けている時、絶対に忘れてはいけないことがあります。それは『今、何を目的として練習をしているか』です。

筋トレではがむしゃらに回数をこなすより、そのトレーニングが身体のどの部位に効いているのかを意識しながらやると練習効率が上がるとされています。

ボイトレも同じです。

何となく言われるがままに練習をするのではなく、自分の意思で、目的をもって練習できると効率は何倍にもなります。

それでは、ざっくりと大きく3つの意識の紹介です。

① 良い演奏をするための練習


一つ目は表現力に関する練習です。

歌手は自身の身体そのものが楽器です。その楽器を使ってどういった演奏をするかは一番大切な部分ですね。

 
生徒ねこ
具体的には?


歌っていて言葉の意識が全くなく、変なところで息を吸っていたり不自然な言葉の強調をしている場合があります。こういった部分を改善するのは “良い演奏のための練習” と言えるでしょう。

また、淡々と歌っているだけで言葉の抑揚に変化がない場合、意識的に声を大きくしり呼吸を変化させたり音の入り方消え方に変化を持たせたりといった練習もやはり表現に関する部分なので “良い演奏をするための練習” です。

② 良い楽器を作るため練習


二つ目は基礎発声に関する練習です。

歌手は自身の身体そのものが楽器です。そしてその楽器は全て筋肉などのバランスでできています。あなたが望めばいくらでも乱暴に扱い壊すことも、磨いて素晴らしいものにしていくこともできるのです。

 
生徒ねこ
例をください!


解釈にもよりますが、優しく独り言のように表現したい部分なのに高い声が安定して出せず無闇に大きな声で乱暴にしか表現できない、なんて時には “楽器作り” が必要です。

また、やりたいことが明確にあっても楽器にダメージを加え無理をしないと表現できないなんていう時にも、”より良い楽器を作る練習” が必要になります。

そのため歌わずに行う体力づくり、ストレッチや筋トレ、呼吸練習などは全て “良い楽器を作るための練習” とも言えます。

③ 楽器のメンテナンス


三つ目は楽器の “メンテナンス” に関する練習です。

いきなり歌い出すわけでなく、ストレッチをしたり、リップロールなどの発声練習を行なってから歌の練習をしたりするのは “メンテナンス” と言えるでしょう。

足りない部分を強くする、目的を持ってより強くするといった筋トレは楽器作りに該当しますが、日頃からその筋肉量が落ちないよう意識するトレーニングなどはやはり “メンテナンス” にあたります。

また、こまめな水分補給や風邪をひきそうな時やひいてしまった時にどういった対処をするかなども楽器のメンテナンスです。(これについては後日記事にしたいと思います)

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あなたのボイストレーナーと話し合おう


以上3つ。

今何を目的として練習しているのかを考える時に知りたい意識でした。

その上であなたが今悩んでいることや不満に思っていることがある場合、あなたは何をやりたいのか、講師は何をやらせたいのかをはっきりさせる必要があります。

あなたが表現を磨こうとしている意識が強いのに講師が良い楽器作りを目的とした練習をしていた場合そこにズレが発生します。

自由に歌いたいのに色々制限をかけたりしやがってと不満に思うこともあるでしょう。

しかしそれは練習意図のズレからくるものなので、納得できない場合はただやらされながら不満を持つのではなく、どういった目的で今の練習を行なっているのかをしっかり確認する必要があります。

実際に相談してもらえた例


特にレッスンをしていて多く感じるのが、生徒が感情表現として音で表現しなければいけないものを、その時の喉の力の入れ具合などで “表現していると勘違いしているケースです。


感情表現の激しい曲を歌いたいとある生徒に、表現の仕方には一切口を出さずただ身体の使い方や発声を楽な方へ導いた時の話です。こちらが聞いている歌声には全くといっていいほど変化はないのですが『歌っている気がしない』と自身の不満を教えてくれました。

この時は中々に高い精度で余計な緊張を手放せたこともあり、自由に歌ってもらった時とレッスンで意識した身体を使いながらの歌の両方を録音することで聴き比べてもらい納得してもらえました。

相談してもらえたことでハッキリしその後も効率よく成長していくことができましたが、こういった場合はお互いが『歌』に対してみている部分が違いすぎるので相談してもらわないと中々新しい方に進んでいくことはできません。もちろんこちらからそれを見抜いて相談し易い空気を作るのも必要ですが、それは講師側の課題なので今回は置いておきます。

もし生徒が相談せず表面上だけ社交的に「わかりました!」なんて言っていたら、あっという間に次回のレッスン時には元に戻っていたり中途半端な発声になっていたことでしょう。

それでも成長できないわけではないですが、やはり講師と生徒、お互いが同じ方向を向いて一緒に頑張っていけると練習効率は何倍にもなると思います。

講師の目的を把握しよう


ですので、今何を目的として練習しているかは必ず確認しましょう。

上手な歌、良い歌、というのは大切な要素がいくつもあります。

講師は今持っている楽器の中で最大限のポテンシャルを発揮できるように演出をしてくれている場合もありますし、今何ができるかではなく将来を見越して良い楽器作りに専念している場合もあります。もちろんその両方を兼ねている場合だってあります。

また、良いか悪いかは別にして個人の経験・体験談からその練習や意識が必要不可欠だとういう考え方で自分の育ったジャンルやスタイルに寄せようとする講師もいます。

何でもかんでもクラシック寄りにしたり、ロック寄りにしたり。これは資格のいらない、名乗ったら誰でもボイストレーナーを始められることが原因だと考えられます。

どのジャンルだろうと “発声” という意味で効率の良い身体の使い方は覚えられるのですが、練習効率という意味合いもあるので疑問に思ったらその悩みを必ず相談しましょう。それで怒る講師なら講師の方に問題があります。

最後に

『新しい楽器を作るための練習』というのは習慣化した身体の使い方を変える練習でもあります。

これは腕を組んで上に来る方を逆にするようなものなので人によってはとても気持ちが悪い場合もあります。

しかし、ボイストレーナーはあなたの身体を壊してお金をもらっているわけではありません。あなたがより良い表現するためのお手伝いをするのが目的です。

悩んだら必ず相談しましょう。

講師は敵ではありません。上手いこと付き合って、どんどん上達していきましょう。

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